学歴の裏側にあるポテンシャル

2014-09-05 執筆者:小倉 基弘

学歴は採用の基準にはしない、と公言している企業も近年多くなってきています。しかし、実際の新卒の就職事情を見てみると明らかに高学歴の学生の方に就職が有利になっているのではないでしょうか。
中途採用のサポートをしている私たちも特に大手金融機関、投資ファンド、コンサルティングファームに紹介する際に結果的に見れば、いや場合によっては当初のRESUMEのスクリーニング段階で学歴を基準にして判断をしていると感じることが多々あります。
ただ、当初は学歴を重視し過ぎるのはリスクがあるのではないかと感じてもいましたが、長年仕事をしていると学歴とその後、ビジネス界である一定のプロモーション、パフォーマンスを出していくこととは相関関係があるのだなと思うようになってきました(もちろんすべてではないですが)。
つまり高学歴を獲得する過程で得られた、もしくは強化された能力、スキル、性格が社会で仕事をしていく過程で組織でのプロモーション、高いパフォーマンスの重要な要因となっていると考えられるからです。

高学歴の人たちは二十歳になる前にある一定の学習をして偏差値の高い大学に入っています。その過程でそれらの高学歴の人たちが身につけているものは何でしょうか。
すぐに思い浮かぶのは

学習能力
思考能力
知識欲
目標達成意欲

といった能力、欲求、意欲ですが、もう少し掘り下げてみると

勉強に熱中する力(集中力)
友人と競い合う気持ち(競争心)
目標を高く設定して成長することに喜びを感じる(向上心)
長期的に努力を継続していく力(持久力)
やりたいこと(遊び)を我慢して勉強する力(忍耐力/ストイックさ)

等が考えられ、更にこれらによって目標が達成された時に得られる「自信」が何よりもその後の人生で何かを為さん、とした時に大変大きなエネルギーとなるのだと思います。

学歴を重視し過ぎるのも問題ですが、高学歴の裏側にある能力や意欲を無視してしまうのも問題かもしれません。

もちろん学歴を獲得するだけでは得ることができず、しかし社会では重要なスキル、資質である
リーダーシップスキル
コミュニケーションスキル
誠実さ
謙虚さ
が学生時代の教育カリキュラムに入っていると良いのでしょうが。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。