Taken Risks?

2015-03-02 執筆者:小倉 基弘

この仕事は人に人生の選択を迫るような商売です。リスクテイクして自分自身をストレッチしなさい、と言っているようなビジネスです。アンテロープが用意している機会は投資銀行、プライベートエクイティ、コンサルティングファームといった安定とは程遠い就業環境です。時には短い期間で力及ばず退社に追い込まれたり、ファンドの運営がうまくゆかず解散してしまう場合があるポジションでもあります。それでもそういった機会に身を置いて自身の成長を加速し、専門的な投資のノウハウ、経営ノウハウ、強い向上心を持った得難い人脈を得ることができるのです。更に付帯的に高額の給与を得て、20代、30代で数千万円、場合によっては億に近い収入になるのです。

2002年から約13年間このビジネスを行ってみて何度となく候補者の方が自主的に応募した企業から得た内定を最後の段階で辞退されるのを見てきました。もちろん他の選択肢との比較の末の辞退であれば問題ないのですが所期の転職動機を満たすような内容であるにもかかわらず活動の過程でリスクよりも安定を選んでしまう意思決定をする時は私も「本当にそれでいいのだろうか」と考えてしまいます。

リスクを取るか安定を取るかは価値観の問題でもあり、正解があるわけでもありません。ただ、今までの経験から言えることはリスクを取って転職をされた能力と野心のある人たちはその数年後には選んだ機会の中でもがきながらも結果を出して自分を成長させています。もちろん失敗というか少なくともその時点ではうまくいかなかった人もいますが厳しい経験の中で得られたものは大きいのではないかと思います。リスクには成長が内在しており、安定には停滞が内在しているのです。

人と違った人生を選び、新しいものを創り出したりしている人材は古今東西を問わずリスクを取った人たちです。人生、長くても100年程度で、その中で情熱を持って世界を変えていこうとするのが本来人間の持っている性なのではないでしょうか。

徐々に意識の変化は感じますが、日本人は戦後高度成長の中でリスクを取るよりも安定成長を望むような気質になってしまったようです。高学歴で優秀と言われている人材ほど大企業、公務員等の安定した道を好んでいるようです。独立起業するような人たちはどちらかというと異端でいわゆる「優秀」と言われている人たちではなかった。

学習する機会を得て高等教育を受けてきた人こそリスクを取って社会を成長させるために努力をするべきだと思います。せっかく多くの時間を費やし知識を得て学習能力を身につけたのに大学就職人気ランキングの上位に顔を並べているような伝統的な名門企業で一生を過ごすことは社会の損失であり、個人の人生としても平凡なものになってしまうような気がしてなりません。

米国のようにリスクを取ることを称賛する文化、安定よりもリスクを取ることに価値を置く文化に日本がなった時に更に日本の発展があるのです。

「リスクを取って自分の成長を加速させたい」と望んでいる方々に機会を提供する。
それこそが私たちの仕事であり使命なのです。
Have you taken Risks?

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。