We applaud Challengers

2015-07-29 執筆者:小倉 基弘

1990年7月に当時、父の赴任先で私以外の家族が住んでいたシンガポールに向かう飛行機の中である本を読んでいた時、「明日、死ぬとしたら今の仕事を続けているのか?」という挑戦的な言葉が目に飛び込んできました。シンガポールへの渡航は夏季休暇も兼ねていましたが、一番の目的は家族に、特に父に対して今の会社を辞めて起業したい、と話すことでした。上場企業で転職の経験もなく役員になっている父が了承をしてくれるとは思っていませんでしたが、入社後4年目に入り、当時20代後半になっていた私には、一回だけの人生、大きな会社で一生を過ごしてしまったら必ず後悔するだろう、という漠然とした焦りがあったのです。結局、理解は得られず帰国。数カ月後に両親のアドバイスは聞かずに日興證券を退社しました。明日、死ぬとしたら「今の仕事」をやったままでは後悔すると思ったのです。

「挑戦してもうまくいくかわからないし、うまくいっても多くの犠牲を払うことになるかもしれない」「今の日本(当時の日本)には終身雇用というベルトコンベアーがあり、わざわざ途中で降りる必要はないではないか」という意見も多くの方々から言われました。でも人生は一度きりで、安定的な道を歩んでいくより、外れていてリスクがあっても自分の可能性を試してみたい、と思ったのです。自分の人生ストーリーを自分で描いていきたいと考えたのです。

この世の中は挑戦者が前進させています。既存の枠から出ず安定を志向しているだけでは後退あるのみで成長はない。保守的な考えでは前進せず、革新的な考えが社会を前進させていく。チェ・ゲバラ、アフマド・マスード、ネルソン・マンデラ、マーティン・ルーサー・キング、西郷隆盛、坂本龍馬。近代史の革命家たちほどビジネスパーソンは歴史に大きなインパクトを与える英雄になることはできないかもしれないけれど、それでも日常の経済活動の中でリスクを取って新しいことに挑戦することによって、社会の発展、人々の成長に資する貢献ができるはずです。

紆余曲折あり、2002年に創業したアンテロープキャリアコンサルティングがフォーカスしているのは投資銀行、投資ファンド、アセットマネジメント、さらにコンサルティングファームといった日本の従来の雇用慣行がまったく当てはまらない厳しい環境下で成果が求められる機会です。ともに働いている同僚も野心的で優秀な人材が多く、その競争の中で長期にパフォーマンスをあげ続けることによって自身の能力、人間性を高めていくような職場なのです。でも敢えてそういった環境を求め、自己研鑽してやりがいを求めていく向上心、野心を持った人たちをサポートしていきたいと考え、アンテロープを創業しました。一度しか無い人生、野心と情熱を持って何事かを成し遂げ社会の発展に寄与する。現代社会で高等教育を受けてきた者にはそういった義務があるのではないでしょうか。

私たちがサポートした人たちの中から既存のビジネスを進化させたり、新しいビジネスを創り上げていく多くのプロフェッショナルが誕生することを願ってこのエージェントビジネスを推進していきます。

We applaud Challengers.

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。