転職にベストなタイミング

2014-05-29 執筆者:加藤 浩

「転職をするのに、ベストなタイミングっていつですか?」

よく聞かれる質問です。何をもって「ベスト」とするかによって当然変わるのですが、一言で言えば、自分自身が転職をしたいと強く思う時です。…というと話が終わってしまうので、まずは弊社が主にカバーしている金融/コンサルティング業界の企業側からみた一般例を記します。

金融に未経験から入ろうとすると20代後半くらいまで、コンサルだと31~32歳くらいまで、というのがざっくりとしたイメージです。要は、未経験の場合はアナリストと呼ばれるタイトル(会社によってはアソシエイトと呼んだりします)まで、ということです。海外のビジネススクールでMBAなどを取得してきたりすると、これに2~3歳プラスされます。タイトルが一つ上がって、アソシエイトと言われるタイトルでの採用が検討されるようになるわけです。

ヴァイスプレジデント(VP)やマネージャーというタイトルになると、未経験で入っていくというのはまず無理です。これらを年齢で想定しながら考えると、世間でよく言われる「転職30歳限界説」「35歳限界説」などの根拠が何となく見えてきます。

ただ、こんな杓子定規なことで自らのキャリアを狭めたり諦めたりする必要はなく、例外はいくらでもあります。そもそも世の中にはこれまでなかったようなビジネスがどんどん生まれてきているので、それらには「経験者」がいないわけです。50歳未経験で新しい世界に入っていってもいいわけですし、実際、そういう事例もあります。

話を変えて、「転職に季節要因はあるのですか?」

これもよく聞かれる質問です。答えは「ある」です。正確には業界によりますし、あくまで傾向ですが、例えば外資金融であれば、その年のヘッドカウント(採用枠)を確保した年初から求人が多く出てきたりします。人材の動きの側でいえば、ボーナスシーズンとなる1月、2月の後は転職希望者も増えるため、この傾向によっては競争が激化します。日系の一部では、人事部が新卒採用と中途採用を兼務していたりするので、その場合は新卒採用シーズンは中途採用が実質中断したりします。一方、コンサルティングファームの場合は、1年を通して「良い人材がいれば採用」というスタンスをとるので、比較的季節要因は少なくなります。冒頭に「転職は自分がベストと思うタイミングがベスト」ということをお伝えしましたが、内定の確率を上げるための戦略は、やはり存在します。

では、タイミングという観点から転職を成功させるためにはどうすれば良いのか?

動き出すタイミングは、まさにご自身が転職をしたい時で大丈夫です。一方で、応募をするタイミングは個別企業の募集状況、併願する(したいと思っている)企業の募集状況、人材の動き(自分の競合になる人材がどのくらい転職活動しているのか)などを総合して判断していきます。

もちろん、これらの情報はネット等だけではなかなか得られないので、我々のような人材紹介会社を使っていくのがやはり有効です。大学受験であれば、決められた受験日に受ければいいわけですし、新卒の就職活動においても同様です。しかし、転職活動においては、応募するタイミングによって合否の確率が想像以上に変わります。また、一度チャレンジすると、NG理由がどうであったにせよ、間をあけずに再アプライをすることが難しくなります。

転職希望者の成功の確率を最大限に上げられるように、我々としても全力で皆様をサポートしてまいります。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。