2012年を振り返って

2012-12-28 執筆者:佐藤 史子

2012年もいよいよ残りわずかとなって参りました。すでに営業を終了される企業もちらほら出てきており、採用プロセスもだいぶスローになって来ました。一方で、年をまたいで転職活動をされていて来年の面接アレンジを行っている方や、年内に転職先を決めたい方も、まだまだいらっしゃり、今年も最後まで気の抜けない年になりそうです。2012年はみなさん、どのような1年になりましたでしょうか。

この時期になるといつも、今年お会いさせていただいた方や転職が決定された方々の顔を思い出しながら、自分の1年を振り返ります。コンサルティング業界は今年も採用意欲が旺盛で、大半のファームが積極採用されていました。特にグローバルのネットワークがしっかりしている外資系の大型ファームが引き続き堅調で、日系の企業が国境を越えて業務の効率化を図る中、急増するプロジェクトに対応するために若手を中心に多くの方々のご入社が決まった年でした。

今年に関しては、コンサルティング業界でキャリアアップを目指す女性の候補者の方々にお会いする機会が増え、またご入社に至られる方も昨年以上に多かったように思います。ワークライフバランスや女性としての長期的なキャリアの描きにくさがあるのか、コンサルティング会社の女性の採用は思うように進まず、ご担当者のお悩みとしてよく伺っておりました。各社がダイバーシティ推進に向けて、女性社員の採用はもちろん、女性管理職の比率を上げることや結婚・出産した後も働きやすい制度の設計や運用に向けて努力してきた結果が少しづつ実っているように思います。

実際、採用担当をされるパートナーの方にお話を伺うと、単なるダイバーシティの推進だけではなく、女性の方が持つ柔らかいコミュニケーション能力や相手の気持ちを敏感に読み取る力、ヒアリング能力がコンサルティングの仕事に多いに寄与しており、期待するところは大きいようです。転職が決まった方のお話を伺っていても、インタビューの中で面接官のお人柄や望んでいる回答を、短いやり取りの中で的確につかみ取り、相手に響くようなコミュニケーションを心掛けた結果、上手くお話が盛り上がったということをよく耳にします。

これらはもちろん女性に限った資質ではありませんが、コンサルティングというビジネスの中で、女性が活躍できる余地は大きく、その活躍に対する期待値は高いものがあるのだと思います。実際に外資系のトップファームで出産後に復職をされて、エネルギッシュに働いている方もいらっしゃいますし、時短勤務の制度があるコンサルティングファームもあります。

今年は、韓国で初の女性大統領が誕生。また、アメリカでも妊娠中のマリッサ・メイヤーがヤフーの新CEOに就任。シェリル・サンドバーグ(フェイスブックのCOO)とアン・マリー・スローター(オバマ政権でアメリカ国務省政策企画本部長を務めた国際政治学者)の「キャリアと家事育児の両立」に関する見解の違いが話題になったりと、グローバルに目を向けても女性のキャリアやリーダーシップについて何かと話題の多かった年でした。女性だからと、自ら限界を決めず、プロフェショナルとして自らの力を高めたい方は、ぜひ積極的にコンサルティング業界にチャレンジしていただきたいと思います。

来年は、さらに多くのリーダーを目指す方々にお会い出来ますことを楽しみにしております。

佐藤 史子 / Fumiko Sato
【経歴】
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒。新卒で大手新聞社に入社し、取材記者として勤務。その後大手総合人材サービス会社を経て2008年より現職。人材業界でのキャリアは通算15年以上にわたる。

【担当領域/実績】
コンサルティング業界担当。毎年年間200名以上の候補者の転職やキャリア形成をサポート。外資系戦略コンサルティングファーム、総合系ファーム、会計系財務アドバイザリーファームを中心に業界でのネットワークを広く持ち、現役コンサルタントの方々との日々のコンタクトを通じて業界の生の情報に触れ、コンサルティング業界の最新動向やキャリア形成に関する知見を磨く。これらをソースにした的確な転職アドバイスに強み。大手ファームへの転職支援はもちろん、ポストコンサルの方々のファンドや事業会社のコアポジションへの転職支援実績も多数。