思考が運命を変える

2014-01-29 執筆者:佐藤 史子

2014年、新しい1年がスタートして、早くも1カ月。時間が経つのがどんどん早く感じる今日この頃です。

毎年年始になると、今年1年何を目標に過ごすか、1年が終わった時に何を達成してどういう自分でありたいかを考えて、やってみたいことはもちろん、マインドセット、心掛けたいことを、あれこれ手帳に書き出して年間の目標を立てます。毎年同じことをしているので、昨年書いたものを見比べながら、出来たこと、出来なかったことを整理して、1年をどんな風に過ごすかを考えます。

これをやるようになったのは、以前目にしたこんな言葉がいたく心に響いてからです。

 思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
 性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

ノーベル平和賞受賞者、マザー・テレサの有名な言葉ですね。なんとなく「気をつけなさい」と言われると、戒め的なニュアンスを感じてしまうのですが、私はもっとポジティブに「強い信念や思想を持っていれば、自分の運命を切り開くことが出来る」ということだと思っています。自分がどのようになりたいかしっかりしたイメージが描けて、それを本気で信じることが出来るかどうかで、人生の成果が変わる。そんなメッセージだという解釈が、とてもしっくりきたのです。

一見、誰でも納得しそうな「考え方によって運命が変わる」というメッセージですが、なぜそのように言えるのか細かく紐解いていくと、そこには思考⇒言葉⇒行動⇒習慣⇒性格⇒運命、という小さな変化のプロセスの積み重ねが存在することが分かります。漠然と前向きに考えるだけではなく、それによって自分の行動や習慣がどう変わったかをチェックすることで、自分が上記の流れに乗れているかどうかを振り返ることが出来るのだと思いました。

そして小さな変化だからこそ、日々かなり意識して過ごしていないと楽なことに流れて行ってしまう訳で、思考や行動を自分なりによいものに矯正するためにせめて1年に1回ぐらいは、内省的に自分を振り替える時間が必要だと思ったのです。

実際、自分の周りの友人知人、仕事を通じて日々お会いする方々も、上手く行っている方々の大半は、あまり失敗した時のことを考えて予防線を張ったり、くよくよ悩んだりしません。そして結果を出すことや、成功することに良い意味で貪欲です。ものすごく努力をするのですが、それは頑張れば結果が出る、もしくは自分なりに納得がいく状態になる、という思考回路が無意識にインプットされており、チャレンジングな状況に直面した時も「どうしたら達成できるのか」というプラスの発想で行動をし、それが更なる前向きなマインドと次のポジティブな行動を促し、よい結果につながりやすいのだと思います。

私たちキャリアカウンセラーは、みなさんの行動や習慣を直接変化させる力はありません。でも、対話を通じて思考やそこから発せられる言葉を、少しでもわくわくするもの、プラスのエネルギーを発するものにするお手伝いは出来ると思っています。内省するのも、目標を立てるのも、一人では行き詰ることもあります。よりよい行動や習慣、そして将来につながる一歩を踏み出すお手伝いを一緒に出来ればと思います。

佐藤 史子 / Fumiko Sato
【経歴】
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒。新卒で大手新聞社に入社し、取材記者として勤務。その後大手総合人材サービス会社を経て2008年より現職。人材業界でのキャリアは通算15年以上にわたる。

【担当領域/実績】
コンサルティング業界担当。毎年年間200名以上の候補者の転職やキャリア形成をサポート。外資系戦略コンサルティングファーム、総合系ファーム、会計系財務アドバイザリーファームを中心に業界でのネットワークを広く持ち、現役コンサルタントの方々との日々のコンタクトを通じて業界の生の情報に触れ、コンサルティング業界の最新動向やキャリア形成に関する知見を磨く。これらをソースにした的確な転職アドバイスに強み。大手ファームへの転職支援はもちろん、ポストコンサルの方々のファンドや事業会社のコアポジションへの転職支援実績も多数。