職務経歴書の本当の書き方

2016-10-26 執筆者:加藤 浩

転職活動を始める時、まず取り掛かるのが「職務経歴書の作成」ですね。今はネット上にもサンプルであったり、書き方のアドバイスを載せたサイトも多いので、まずはそれらをベースに作成される方が多いと思います。

ただ、実際にはアプライする業界によってもベストな書き方は変わってきます。ここでは、アンテロープがカバーしている金融、コンサルファームなどのプロフェッショナルファームを受ける方々がよく誤解されている点に答えていきたいと思います。

まずよく聞かれるのが「分量」をどうするか。

志望動機書などと同じなんですが、基本は「パっと見て分かる」分量にすべきです。例えば戦略コンサルファームだと競争倍率が100倍以上にもなるため、毎日ものすごい数の職務経歴書が採用担当者のもとに届きます。1人分が10枚にわたっていたら、まず読まないですよね。担当者によっては「仕事で報告書を書く場合にも要点をまとめられないのだな」とすら思われます。経験年数や転職歴にもよりますが、できれば2枚以内。どんなに多くても3枚です。

次によく聞かれるのが「自己PR欄」をどうするか。

結論から言うと、自己PR欄は作らない方がいいです。職務経歴書にはもちろん何の決まりもないのですが、暗黙の了解として、これまでの実績など客観的な事実を並べることになっています。自己PR、と書いた瞬間に「どうせ都合のいいように書いているんだろ」と思う担当者もいて、あまりまじめに読んでもらえません。それと、自己PRに「コミュニケーション能力」と書く方もいらっしゃるのですが、多くの方々がそう書くので「それは面接で見るから」と思われてしまいます。

ただし、自己PR自体はしたいので、例えば「コアスキル」として2~3つ並べるとか、職歴要約欄にさり気なく自己PR的な内容を盛り込むとか、営業実績など数値で示せることは職務詳細に記載したりすれば大丈夫です。

最後に「どこに一番力を入れるべきか」。

もちろんすべてに気合いを入れて書くんですが、特に大事なのは「職歴要約」の箇所です。要約はなくてもいい、という方もいるのですが、やはりあった方がいいです。「この人は一言で言うと、何をやってきて何ができるの?」という視点で、企業担当者はまず最初にここを読みます。ここで響かなかったら、詳細の部分は読んでもらえないくらいに思った方がいいです。「一言で言うと」なので、冗長にせず4~5行くらいでいいです。

書類の書き方に正解はないのですが、数々の採用担当者(特に人事ではなく現場担当者)の意見を吸い上げていくと、こういうポイントが大切になってきます。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。