アンテロープの仕事とは?‐世界を変える人々に機会提供を行う‐

2018-01-31 執筆者:小倉 基弘

学生の時に読んだ三木清氏(京都学派の哲学者)の人生論ノートの中の「旅について」の一節に、以下のようなくだりがありました。

「何処から何処へ、ということは、人生の根本問題である。我々は何処から来たのであるか、そして何処へ行くのであるか。これがつねに人生の根本的な謎である。そうである限り、人生が旅の如く感じられることは我々の人生感情として変ることがないであろう。いったい人生において、我々は何処へ行くのであるか。我々はそれを知らない」(三木清『人生論ノート』 新潮社)

これを読んだ時に「確かに人生は旅のようなものだな。自分の人生はどうなるのだろうか」と物思いに耽りました。ただその旅の内容は人それぞれ千差万別。ひとつだけ共通点があるとすれば、人生の旅はすべての人に等しく一回しかない、ということです。

私たちアンテロープは、人に職業の機会提供をする仕事を行っています。更に言うと、その中でも野心と向上心を持ったプロフェッショナルにフォーカスして、相応にリスクのあるチャレンジングな機会提供を行っています。

社会に出て既に30年が経ちましたが、今感じることは、どんな仕事をするかで環境が違い、出会う人が違い、そして自分自身の考え方、価値観が作られ、職務に応じたスキルが身につき、人生そのものが変わってくる、ということです。

仕事はあたかも旅を徒歩で行くのか、自転車を使うのか車なのか飛行機なのか、といった移動手段のようなものであり、どういった目的地(人生の目的)に行きたいかによってどのような移動手段(仕事)を利用するかが変化してしまうのです。

比喩的に表現すれば、私たちはこの人生の旅先案内人のようなものです。約20年、この仕事に携わってきて実務家としてプロフェッショナルのキャリアデザインについて考える時、たった一度だけの人生において、常識にとらわれず世界をより良くするような大きな目標を達成するためにリスクテイクをして、厳しい機会の中で自分自身を成長させていくことが充実した人生を送る秘訣なのではないかと強く思うようになっています。

例えば、30年前には私たちが現在対応しているPEもM&Aアドバイザリーも不動産ファンドもコンサルティングファームも、日本では産業そのものとして形も無かったか、もしくはマイナーな存在でした。私の学生時代の友人が新卒でアンダーセン(現在のアクセンチュア)、ベイン&カンパニー等に入りましたが、ほとんどの人が「それ何?」という感じでした。M&Aについては野村證券自体に今の企業情報部がなく、野村企業情報株式会社という別会社が行っていました。投資ファンドに至っては、ベンチャーキャピタル(VC)こそ存在していましたが、プライベートエクイティ(PE)、不動産ファンド自体存在していませんでした。しかしその後、野心的で向上心旺盛な人材がこれら産業に集まり、若く優秀な人材はこの業界の職務レベルの高さ、世間へ与えるインパクトの大きさ、給与水準の高さに大きな魅力を感じる業界となっています。現在ではこれらの業界から人工知能(AI)、IoT、ロボティクス、バイオ等のベンチャーに行く、更にはそういった業界で起業する、とうのが一つの流れになりつつあります。

世界は常に変化しています。奇跡的に手にした一度きりの人生を「世界を変えてやる」位の大志を持ってチャレンジする人達をサポートしていく。これが私たちの仕事なのです。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。