MBAは一定のビジネス能力を保証する
トップクラスのコンサルタントの多くが保有している「MBA(Master of Business Administration)」。経営学修士における修士課程の修了者に与えられる学位の総称で、プログラムでは経営に必要なヒト(人的資源/リーダーシップなど)、モノ(オペレーション/マーケティングなど)、カネ(ファイナンスなど)、そして情報について体系的に学びます。
現在、欧米をはじめとして大企業のトップマネジメントの多くがMBA取得者で占められているように、MBAはビジネスリーダーとして一通りの経営ノウハウを持ち合わせていることの証明としても用いられています。特別な資格を必要としないコンサルタントですが、誰でも名乗れる職業であるからこそ、MBAのような信頼性の高い学位を持つことがその人の能力を担保している部分もあるようです。
MBAは海外で取得する「海外MBA」と日本で取得する「国内MBA」に分けられますが、ここでは海外MBAを取得することのメリットとデメリットについて説明しましょう。
海外MBAという選択肢
今でこそ海外MBAや国内MBAと呼ばれていますが、もともと「MBA」といえば海外へ留学して取得するのが一般的でした。日本初のビジネススクール「慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)」が誕生したのは1962年のことです。ただ、全日制のフルタイムMBAですので、国内とはいえ就業中のビジネスパーソンには取得が困難なことには変わりありませんでした。
その後、ニーズの高まりを受けて日本でもビジネススクールが増え続け、現在は平日夜や土日の講義に参加することでMBAを取得できる教育機関が多くなりました。従来と比べて資格取得のハードルが下がったといえます。ところが働きながら取得できるようなった現在も、欧米などに留学して海外MBAの取得を目指す人が少なくありません。
海外MBAを取得することのメリット・デメリット
なぜ取得が容易な国内MBAがあるにも関わらず、海外MBAを選ぶ人がいるのでしょうか。そこには、海外MBAが持つ以下のような大きなメリットがあるからです。
◆海外MBAのメリット
(1)最新のビジネスメソッドを学べる
経営学の本場アメリカはコンサルティング発祥の地であり、世界的な名門とされるマッキンゼーやBCGなどが今も本社を置く地でもあります。アメリカの大学院のプログラムは変化が激しいビジネス分野にもいち早く対応していることから、最先端の知識を取得したい人から高く評価されています。
(2)グローバルビジネスの視点が得られる
現代のビジネスにはグローバルな視点が欠かせません。海外特有のビジネスカルチャーや、日本にまだ持ち込まれていないビジネスモデルなどは短期の海外旅行や出張だけで身につくものではなく、実際に海外で暮してみて初めて気づくものです。世界を相手に戦う企業に対してコンサルティングを行う場合、海外MBAの留学経験は何物にも代えがたい貴重な経験となるでしょう。
(3)外国語コミュニケーションスキルが学べる
一流企業が社内公用語に英語を採用するように、海外進出を視野に入れている企業は外国語スキルを非常に重視しています。外国人を積極的に採用している企業も多く、日本語でしか資料作成やプレゼンテーションができないコンサルタントにとっては厳しい時代となるでしょう。海外MBAでは経営ノウハウだけではなく、「読む」「書く」「話す」「聞く」といった外国語でのコミュニケーションスキルを包括的に身につけられるのが魅力です。
一方で、海外でMBAを取得することには以下のようなデメリットもあります。
◆海外MBAのデメリット
海外MBAのデメリットは、ずばり「コスト」と「期間」です。MBA受験の準備にそれなりの時間をかけ、卒業までにも1~2年かかるため、学費はもちろんのこと、現地での生活費なども含めるとかなりの費用がかかります。そして、留学する場合は休職または退職する必要があり、この期間を実務経験のブランクととられてしまうリスクも発生します。
海外MBAが取得できる名門スクール
MBAは所持しているかいないかと同時に「どこで取得したのか」も重視されます。もしも世界的にも名門と見なされるビジネススクールで学ぶことが出来れば、それは一生ものの財産となるでしょう。ビジネススクールは世界中に存在しますが、ここでは名門校が集中している欧米を中心に紹介していきましょう。
まず、アメリカの名門校といえばハーバード・ビジネス・スクールが挙げられます。ハーバードはマサチューセッツ州ケンブリッジ市にある同国最古の私立大学で、アイビーリーグ(アメリカ北東部にある名門私立大学8校)の1つです。これまで多くの大統領をはじめ、ノーベル賞受賞者、アーティスト、実業家などを輩出していることで知られています。各分野において世界最先端の教育を受けられるため留学希望者が絶えません。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏や、フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグ氏もここで学んでおり、ビジネス界においても非常に高く評価されています。
他には、アメリカ初の経営学部が設立されたことで有名なペンシルベニア大学(ウォートン・スクール)、アーサー・D・リトルが会社として初めて置かれたマサチューセッツ工科大学(MITスローン・スクール)、マッキンゼー&カンパニーの創始者であるジェームズ・O・マッキンゼーが在籍していたシカゴ大学(シカゴ・ブース)などが挙げられます。
ヨーロッパの名門校としては、まっさきにロンドン・ビジネス・スクール(LBS)が挙げられます。同校のMBAプログラムは世界最高峰と名高く、講義をするのは世界各地から招かれた一流の講師陣であるため、ランキングでも常に上位にあげられています。ほかにはフランスのフォンテーヌブローにある難関校INSEAD、欧州で珍しい2年制を採用しているスペイン発祥のIESEなどが有名です。
海外MBAではリサーチが重要
コンサルタントへのキャリアチェンジやキャリアアップで有利にはたらく海外MBAですが、留学の際にはリサーチが欠かせません。講義についていける程度の外国語スキルを習得するのと並行して、出願校の研究をする必要があります。学校によって専門分野だけではなく、講義のスタイルなども変わってきますし、住む場所の生活のしやすさなども考慮するべきでしょう。この準備だけで数年ほどかける人も決して珍しくありません。海外MBAを考えている人は後悔することがないように、スクール選びには時間をかけるようにしてください。リサーチ不足の年は、焦らず出願を見送るのも1つの選択です。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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