No Challenge, No Life.

2019-04-24 執筆者:小倉 基弘

表題は、弊社サイトのトップ画面の文言です。

「果敢に挑戦し、一度きりの人生を充実させよう」という、弊社サイトをご覧になっている方々へのメッセージです。

4月9日の日経新聞に掲載されていた、2020年3月卒業予定の大学生・大学院生の就職企業人気ランキングは、相変わらず文系理系とも大企業がTOP10に名を連ねています。日本はいまだに官庁や大企業への就職を本人が喜んでいるだけではなく、親からも周りからも祝福されているようです。こういった形で就職が決まって喜んでいるのは将来の安定が手に入ったと勘違いしていること、また寄らば大樹の陰のように依存心の現れでもあります。

米国では優秀な学生ほど起業家の道を選ぶ、とは以前から言われていることです。2017年のブルームバーグの資料によると、スタンフォード大学卒業生の16.4%は起業の道を選んでいるといいます。また、2016年に日本の中小企業庁が発表している、起業に対して無関心の割合については

日本:77.3%
米国:22.9%

となっています。

日本の社会は少しずつ変化をしていると思いますが、受験勉強を勝ち抜いてきた学生が官庁や大企業を目指している実態は、一流大学、一流企業という安定志向がいまだに日本人の価値観の大きな部分を占めている証左でもあります。

ここ1~2年、弊社が以前より対応している投資銀行、投資ファンド(プライベートエクイティ)、戦略系コンサルティングファームといった、プロフェッショナルファームの中でもエスタブリッシュかつ競争が激烈な世界から、同じプロフェッショナルファームの中でもベンチャーキャピタル(VC)及びその投資先であるスタートアップ/ベンチャーへの転身が徐々に増えてきています。

高学歴で上記のような保守性を持っておらず、果敢に挑戦をする一部の若く優秀な人材たちが、AI(人工知能/ディープラーニング)、フィンテック(ブロックチェーン)、ロボティクス、バイオテクノロジーといった最先端の分野で起業し、あるいは初期メンバーとして戦い始めているのです。

私たちは2002年の創業当初から日本の大企業や官庁に所属し、自分の実力だけではどうにもならない領域、例えば上司との人間関係、人事上の運によって出世が決まってしまうような宮仕えの世界から自身の実力で戦っていける能力、マインドセットを身につけるフィールドであるプロフェッショナルファームへのキャリアパスを導いてきました。今、それがその先のVC、スタートアップ/ベンチャー、更には起業へとキャリアパスが描かれ始めています。

近代史の中で戦後の日本が秀でた経済成長を遂げたのは、勤勉な日本人が多くいたからではなく戦後の廃墟の中からも現在のパナソニック、ソニー、ホンダ、京セラのような企業をゼロから立ち上げたアントレプレナーがいたからなのです。

今から数年後の新卒人気企業ランキングでスタートアップ/ベンチャー企業、プロフェッショナルファームが上位を占めるようになっていれば、高度成長期のような日本の経済成長も再び望めるかもしれません。

4月も後半になり桜は散ってしまいましたが、新社会人が一歩を踏み出す季節です。そしてあと残り数日で平成も終わり新しい元号、令和が始まります。令和の日本社会の価値観は「新しいものに挑戦し、既存のものから抜け出し創意工夫を重ねながら今まで存在しなかった道を歩んでいくことが素晴らしい人生である」というものに変わっていくと期待しています。

No Challenge, No Life.

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。