Why join the navy if you can be a pirate?

2022-06-30 執筆者:小倉 基弘

今回のコラムのタイトルは「Why join the navy if you can be a pirate?」。スティーブ・ジョブスがマッキントッシュを開発していた時期に、社員及び入社応募者に投げかけていた言葉だそうです。
「海賊になれるというのに、何故海軍に入るんだい?」といったような訳になると思いますが、意味するところは「(まだ当時小さかった)アップルで活躍できるというのにどうしてIBMに入るの?」という応募者への問いかけであり、またnavyは「安定/規則正しい」という象徴、pirateは「冒険/自由」の象徴として「一度しかない人生、自信があるなら安定を選ぶより冒険してみよう」と考えていたジョブスの信条の現れではないかと思います。

今年(2022年)4月でアンテロープも創業から20年が経ちましたが、業界ではまだまだ小さなエージェントです。小規模ですが設立当初から「向上心を持つプロフェッショナルに対して、長期的なスタンスで自己実現のための機会提供を行う」というミッションを掲げて、ハイエンド層向けのキャリアデザインサポートを行っています。

私たちがキャンディデートの方々にご紹介しているのは、投資銀行やPEファンド、コンサルティングファームといった、一般にハイエンドと見なされる業種が中心となっています。こうしたプロフェッショナルファームの内部は華やかなイメージからは想像もつかないようなタフな世界です。完全な実力主義で常に社内外から評価され、期待に及ばなければ容赦なく職を失います。ともに仕事をするメンバーの優秀さに圧倒され、自分に追いつくことが出来るだろうかと不安になることもあるでしょう。繁忙期に訪れる連日の徹夜に耐えられるだけの体力も必要です。人材紹介業の立場で言えば、求人の絶対数は少なくピンポイントの要件が求められるという難しい業界なのも確かです。

そうした業界を取り扱っているのは、私たちが、あえて厳しい環境に身を置き自らの力を少しでも向上させようとしているリスクテイカーを支援したいと考えているからです。その時々にオープンな求人を機械的に紹介するのではなく、一人ひとりのキャンディデートにとってふさわしい未来がどんなものかをともに考え、形にしていくことこそが、我々の使命だと考えています。

Why join the navy if you can be a pirate?

この言葉は私たちがキャンディデートに投げかける言葉であると同時に、私たち自身にも投げかける言葉です。現在はまだ小さなサービスでしかありませんが「向上心を持ったプロフェッショナル、リスクテイカーを長期的にサポートする」というビジネスを社会にとって必要不可欠なものとすべく、このサービスをpirateになろうとするすべての人々に提供できるよう努力していきたいと思います。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。