金融業界での転職理由と志望動機は?

2015-12-24 text by 鈴木 勝則

今年もいよいよ押し迫ってまいりました。
本年最後のショートレポートとして、「転職理由」と「志望動機」について考えてみたいと思います。

まず、転職するにあたっては選考プロセスに応募するための書類を作成する必要があります。「面接にさえ進めれば…」と考える方は多いのですが、企業側としては数多くの応募者全員に会うことは物理的に難しいため、書類である程度スクリーニングをかけるのが現実です。書類作成においては、応募するポジションがどのようなスキルを望んでいるのかを理解し、職務経歴書でそのスキルを持っていることをアピールしなくてはなりません。経歴と求められているスキルが合っていない場合、多くが書類審査でNGとなってしまいます。

なお、金融業界の場合、書類に書き添えた志望動機や自己PRがどこまで有効であるかは判断が分かれるところです。皆さんも実生活で行っていると思いますが、何かを選択する際にその物自体のスペックとともに口コミなど第三者の評価も参考にするのではないでしょうか。職務経歴書も同じです。ご自身の経歴の説明に、社内表彰やプロモーションの速さなど、第三者からの具体的な評価を書き加えてみてください。自己PRよりも効果的な判断材料になる場合が多いようです。

無事に書類審査を通過すると、次に控えるのは面接です。PEや投資ファンド、IBDの一部以外、金融業界の面接は比較的オーソドックスなものが多く、経歴、転職理由、志望動機などの確認が中心です。経歴については書類選考である程度の見当はつけていますが、専門性が高い職種であると、突っ込んだ議論が行われます。経験値が足りていない故にNGとなった場合、ある程度の納得感もあるかと思いますが、転職理由や志望動機がNG理由であると、不本意であり心残りにもなってしまいます。

金融業界における本音の転職理由として、
・待遇に対する不満
・マネジメント層が詰まっている等の組織体制に対する不満
・異動などにより専門性が維持できない等、キャリアに対する不満
などが良く聞かれます。

面接の際にこれら本音をそのまま述べるべきではない事は、お察しの通りです。では、本音をどのように昇華してネガティブではない転職理由にしたらよいのでしょうか?

弊社はご登録いただいた皆様に、面談にてキャリアに対する考えを確認させていただいており、その際に具体的に希望する企業やポジションがあるかの確認もいたします。転職活動を始められたばかりの方は具体的なイメージを持っていない場合が多く、どのような可能性があるのかを確認にいらっしゃいます。我々キャリアコンサルタントは、そうした転職希望の方々と二人三脚で可能性を探っていくのも仕事なのですが、その過程で転職を成功させる方にはある特徴があると感じます。

転職を成功させる方は、次第に志望ポジションや志望企業が明確になり、その企業やポジションについて掘り下げて知ろうとなさる傾向があります。そしてその職務で自分がどのような働きをするかの具体的なイメージも広げていきます。このイメージが良好なものであれば、それを実現しようとする意識も強まり、そして強い志望動機へとつながっていくようです。

強い志望動機が確立すると、当初の転職理由であった現状への不満ではなく、志望の実現に関連する事柄が主たる転職理由となっていきます。その結果、説得力のある転職理由と志望動機の両面が出来、選考を通過する事が可能になるのだと思います。

このように、不満回避のための転職といったネガティブな初動から、やりたいことがあるから転職するといったポジティブな行動に移行できれば、転職理由や志望動機の弱さ故にNGという、残念な失敗を回避する可能性が高まっていくと考えられるのです。

転職理由と志望動機は表裏一体です。是非、前向きな姿勢から導き出される転職理由や志望動機をお考え下さい。

最後になりますが、来年も皆様の志望の実現に向けてしっかりとサポートしてまいりたいと思います。どうぞよいお年をお迎えください。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
中央大学理工学部卒。シティバンク、エヌ・エイにて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。20年以上に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参加。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。

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