アセット・マネジメント業界の人材動向

2018-12-26 text by 鈴木 勝則

2018年は2017年に続き資産運用業界の人材ニーズは旺盛で、運用や営業のフロントラインをはじめ、プロダクトマネージャーやRFP等の専門性が求められる求人も数多く見られました。

運用フロントでは株式のアナリストやファンドマネージャーの採用は昨年同様に活発で、外資、日系、大手、独立系ともに、広範な募集が行われました。また日系運用会社では、クオンツやESG投資、またオルタナティブを中心としたマルチアセット投資などでも経験者の採用ニーズが高まりました。

昨年以来増加傾向にある債券運用では、クレジット・ストラクチャード投資やファンズオブファンドの採用が拡大し、年金資金等のダイバーシフィケーションを背景とした動きが引き続き見受けられました。

また、不動産やインフラなどリアルアセットに対する投資の拡大を反映して、これらのアセットクラスに投資する外部委託運用ポートフォリオマネージャーやゲートキーパーの求人が目立ったのも特徴と言えます。

こうしたオルタナティブ領域への投資が活発化することで、営業やプロダクトマネージャーにも、それらの知見がある経験者の採用ニーズが強まっており、バイサイドからだけではなく、セルサイドからの人材流入も見られました。

資産運用会社の営業部門ではリテール、年金・機関投資家ともに採用意欲は強く、特に外資大手の日本拠点の拡大や立ち上げに伴う採用が目立ったのも特徴です。こうした多様化の動きを背景に、営業系のポジションは採用人材に求めるスキルセットにも多様化が進んできているように見受けられます。

2019年も、こうした流れが継続すると予想されますが、リスク要因は市場の動きです。各国の政治情勢をはじめとしてリスク要因は多く、足元では株式市場の調整も見られます。金融市場の冷え込みは、資産運用業界の求人需要にダイレクトに反映してきます。我々も市場動向を見据えながら、来年も良いポジションをご紹介出来ますよう情報提供させていただきたいと思います。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
大手米銀にて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。同行ウェルスマネジメント部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後、再び北米大手銀行で法人顧客への外国為替セールスを行う。20年以上に渡り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参加。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。