2020年のアセットマネジメント業界の人材動向

2020-01-17 執筆者:鈴木 勝則

昨年は、終わってみればほとんどの主要マーケットが年初来プラスで終了する中、アセットマネジメント業界の人材ニーズは全体として底堅く推移しました。しかし、採用は会社の業績にも左右されるため、一部には採用を手控える動きも見られました。

今年も会社業績や市場動向が採用計画を左右することが考えられますが、最近の傾向を踏まえて上半期の採用動向を推測してみたいと思います。

引き続きニーズが強いと思われるのが、オルタナティブ投資関連の求人です。PEを中心とするプライベートアセットや不動産・インフラ投資は、年金や機関投資家を中心に引き続き資金流入が続いているようですので、それらアセットのプロダクトマネージャーや管理部門の経験者に対するニーズは継続すると考えられます。

営業部門では、外資系アセットマネジメントが日本でのリテールビジネスに参入しAUMを拡大している良い事例があることから、リテール向けの投信営業や商品企画の人材ニーズが復活することも考えられます。

運用部門では、日本の運用会社は引き続きインデックスファンドマネージャーやクオンツアナリストの募集を継続することが予想され、高い統計数理能力を持つ人材のニーズは強そうです。また、ESG投資も拡大を見せており、この分野も採用意欲が強まることが予想されます。

ミドルバック部門では、リーガル・コンプライアンス人材は流動性が低いこともあり中堅人材の需要は継続する見込みです。

以上のように、政治情勢や経済動向など引き続き先行きが読みにくい状況ですが、アセットマネジメント業界全体としては、上半期は例年並みの採用ニーズが見られると考えられます。

今年もスタートして半月が経過しました。何事もスタートが肝心です。ご自身の経験とスキルを生かして充実したキャリアを構築するためにどのような選択肢があるのか、ご相談などありましたら是非弊社のコンサルタントにご相談ください。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
中央大学理工学部卒。シティバンク、エヌ・エイにて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。20年以上に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。