2022年上半期 不動産金融領域の転職市場動向

2022-05-02 執筆者:渡邉 一也

昨年は新型コロナウイルスの影響もあって、景気の先行き感に不安を感じ転職活動を控えた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか? そこで今回は、2021年の不動産金融領域の転職マーケットを振り返りながら、今年2022年ここまでの傾向について触れてみたいと思います。

2021年にプレスリリースされた不動産金融業界のトピックスの一例として、以下のようなものがありました。
・JR東日本とJR西日本が不動産ファンド立ち上げ
・ドイツの保険大手アリアンツが大都市圏の賃貸マンションに投資
・大和ハウスアセットマネジメントがシンガポールにリートを上場
・KKRが日本で初のインフラ投資を開始
・欧州の不動産ファンドであるパトリツィアが日本での投資を開始
・シノケングループがインドネシアで不動産ファンドを組成

ここに挙げたように、インバウンド、アウトバウンドともに新しいプレーヤーによる動きが目立った1年となりました。

これらの新たなプレーヤーの動きに先立って人材の動きも例年以上に勢いがありました。特に20代後半のポテンシャル人材(ここで言うポテンシャル人材とは、不動産投資に携わった経験がないものの、売買、賃貸、財務、鑑定、設計、経理等何らかの不動産に関わる知見を有している方を指します)を積極的に採用する動きが見られ、独立系の運用会社に転職を成功されたケースが見られました。

30代の投資運用経験者に至っては、外資日系問わず、数多くの転職成功事例に立ち会わせていただきました。また、これまでは転職の機会が少ないとされていた40代後半~50代の方も新規参入の運用会社において、その専門スキルを評価され希望のポジションへの転職を果たしておられます。これらの転職動向は今年に入っても継続しており、これから転職を検討しようとしている方には良い環境が継続していると言えます。

2022年上期にフォーカスしますと、ファイナンスに知見のある人材と、経理に知見のある人材を求めるポジションが多く、これらの経験を有する方にはチャンスが多くあります。例えば、銀行や信託銀行、証券会社やリース会社においてデットやエクイティによる資金調達を担当されていた方や、事業会社や会計事務所などで経理業務を担当されていた方は、次のステップとしてボロワーサイドでその経験を活かしてはいかがでしょうか。不動産ファンドでタイトルと年収のUPを目指すこともできますし、その後のキャリアとしてプライベートエクイティファンドのIRや経理ポジションへのキャリアアップを目指すことも可能となってきます。

以上、今年のこれまでの動向をお話してまいりましたが、もしすぐに転職をしない場合でも、いざ転職するタイミングが到来した時に慌てずに済むよう、弊社では準備運動のサポートもしております。ご自身の可能性を知りたいと思う方は、お気軽にアンテロープにご相談ください。

渡邉 一也 / Kazuya Watanabe
【経歴】
成蹊大学法学部卒。地域金融機関にて法人や個人顧客を担当。与信業務・受信業務を通じて10年にわたり地域の発展に寄与。その後、大手邦銀にて10年間、住宅ローンコンサルタントとして個人顧客ならびに業者向けセールスを行う。20年以上に渡り顧客に金融商品を提供しながら信頼関係の構築に注力してきた経験を、人財というもっとも重要なリソースをクライアントに提供することに注ぐべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
銀行の金融市場部門、資産運用会社(アセットマネジメント)、不動産金融領域を中心に担当。金融業界でのキャリアをベースとしたネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。
NIKKEI HR AGENT AWARDS 2019金融部門 受賞