この時期になりますと、転職希望者の方から「2025年の不動産ファンド業界の転職事情はどうなりそうですか?」とご質問いただくことがあります。
断定的な言い方はできないのですが、このままの金融マーケットが大きく変わらない限り2025年も不動産ファンドの転職事情は明るいとお伝えをしております。
しかしながら、通年採用をする業界ではありませんので、自分が希望する企業に入りたい場合は、入念に準備を行った上で狭き門を潜り抜けなければなりません。
その準備とはどのような内容を指すのか、以下にその内容を挙げてみたいと思います。
1. 業界の基礎知識はそれくらい得ているか
・不動産ファンドの種類は理解しているか: プライベートファンド、REIT(リート)、機関投資家向けファンドなど。
・ファンドのビジネスモデルを理解しているか: 物件の取得、運用、売却、収益構造(キャピタルゲイン、インカムゲイン)。
・市場動向はつかんでいるか: 国内外の不動産市場のトレンドや、金利や経済政策がファンドに与える影響。
2. 職種と役割
・職種の種類について自分が何をやりたいのか理解しているか: アセットマネジメント、アクイジション、プロパティマネジメント、ファンドマネジメント、デューデリジェンス、投資家対応(IR)。
・仕事内容を理解した上で応募しているか: 例えばアセットマネジメントは不動産の運用計画の策定と実行、アクイジションは物件の取得業務など。
・キャリアパスは自分が志向するものとあっているか: 不動産ファンド内での昇進や他の分野(例えば投資銀行やコンサル)への移行可能性。
3. 求められるスキル
・募集要項にある必須スキルを兼ね備えているか:
ー不動産の基礎知識(法規制、マーケット分析)。
ー金融知識(DCF分析、キャッシュフローモデリング、IRR計算)。
ーコミュニケーション力(社内外のステークホルダーとの調整)。
・歓迎される資格を取得しているか:
ー宅地建物取引士(宅建)
ーCFA(米国公認証券アナリスト)
ー不動産証券化マスター
・実務経験を有しているか: 不動産業界や金融業界での経験、特にアセットマネジメントや投資関連。
4. 転職活動の具体的な進め方を理解しているか
・企業研究: 大手アセットマネジメント会社、国内外のファンドマネジメント会社などのリサーチ。
・求人の探し方: 転職エージェント、業界専門の求人サイト、ネットワーキングによるリファラル採用。
・応募書類の準備: 履歴書や職務経歴書でのアピールポイント(ファイナンススキル、プロジェクト経験の記載など)。
・面接対策: 過去の面接における質問事例、業界のトレンドに関する質問、これまでの実績に基づく具体的なエピソードなど。
5. 業界特有の文化や働き方を理解しているか
・働く環境: プロジェクトベースの業務が多く、納期に追われるケースが多い。
・残業/ワークライフバランス: 特にアクイジション業務では残業が多いことがある。
・報酬体系: 基本給+ボーナスの構成が一般的で、成果主義の傾向が強い。
6. 転職後のキャリアビジョンは持っているか
・短期的な目標: 新しい業界への適応と専門スキルの獲得。
・長期的な目標: 不動産ファンドのディレクターや投資責任者への昇進、起業。
上記が全てではありませんが、これらの情報を体系的に取得することで、より確度の高い転職活動が可能になります。
毎年12月~1月にかけて各企業は賞与の支給時期に入ります。
その賞与をもらった後で退職の意向を伝える方が多いことや、4月からの新年度の採用計画が定まるこの時期は新たな求人が出現するチャンスあふれる時期でもあります。
不動産ファンドへの転職を希望する方は、アンテロープがサポートいたしますので一緒に転職活動してみませんか?
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- 【経歴】
成蹊大学法学部卒。地域金融機関にて法人や個人顧客を担当。与信業務・受信業務を通じて10年にわたり地域の発展に寄与。その後、大手邦銀にて10年間、住宅ローンコンサルタントとして個人顧客ならびに業者向けセールスを行う。20年以上に渡り顧客に金融商品を提供しながら信頼関係の構築に注力してきた経験を、人財というもっとも重要なリソースをクライアントに提供することに注ぐべくアンテロープに参画。
【担当領域/実績】
銀行の金融市場部門、資産運用会社(アセットマネジメント)、不動産金融領域を中心に担当。金融業界でのキャリアをベースとしたネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。
NIKKEI HR AGENT AWARDS 2019金融部門 受賞