ハイスペック人材のスタートアップへの転職

2018-06-06 text by 山本 哲史

先日の日経新聞に「外資系金融出身、刺激を求めて スタートアップへ転職続々」という記事が掲載されていました。

その記事では、2018年4月に上場したHEROZへ転職した浅原大輔CFOや、マネーフォワードへ転職した金坂直哉氏(ともにゴールドマンサックス証券出身)の例を挙げ、外資系投資銀行の人材がスタートアップに移るトレンドが示されていました。これらの事例ではいずれの方も、会社の組織体制が整っていない、社員数名の状況でもリスクを取ってベンチャー企業にジョインされています。

また、戦略系コンサルティングファーム出身者がベンチャーを立ち上げるようなケースも増えています。例えば、マッキンゼー出身の柴山和久氏が創業したウェルスナビ(アルゴリズムを用いた自動運用)や、A.T. カーニー出身の松本恭攝氏が立ち上げたラクスル(シェアリングプラットフォーム)など、有望なスタートアップが続出しています。

何故ここ数年、投資銀行やPE、コンサルティングファームに在籍していた優秀な人材がこのようなチャレンジングなキャリアを選択することが増えてきたのでしょうか。背景としては、近年のテクノロジーの急速な発達が考えられます。そうしたニューテクノロジーは、今までにない新しいサービスの開発、提供を圧倒的に安価に、そしてスピーディにしました。そこから潜在的にあったニーズも掘り起こされてくるため、ゼロから新しい価値を作ることができる環境が整ってきています。具体的には、各種マッチングプラットフォーム、ブロックチェーン技術からFintech、AI、ディープラーニング、IoTなどを駆使した様々な新サービスです。

彼らは、かつての起業家像のように裸一貫でがむしゃらにのし上がってきたという成り上がり系オーナーではなく、高学歴でスキルフルな人材であり、高度な金融工学やコンサルファーム/MBAで学んだマネジメントスキルを駆使して起業しています。さらに、その周辺には同じようなバックグラウンドの人材が、続々と集まってきています。

エスタブリッシュな大企業ではなくスタートアップで働くことの醍醐味は、当初は小さいながらも組織の中で自分自身が責任を持って意思決定できること、そして自身が提案、実行したことがそのまま組織の浮沈に反映されるということです。さらに、ビジネスがうまく回りはじめれば、売上の増大、社員数の拡大という、目に見える成長を実感できます。株式、ストックオプションを保有していれば、金銭的なアップサイドも得られるでしょう。

そのようなスタートアップの環境と比較すると、例えば投資銀行では資金調達やM&Aの案件をリードしても最終的な決定権はクライアント側にあります。一方、コンサルティングファームの場合は、プロジェクト終了後に自分達のアドバイザリーの効果を中長期でトラッキングしていくことはあまりなく、それにストレスを感じる方も多いようです。投資銀行、PE、コンサルティングファームからスタートアップへ、という流れは今後も加速するものと考えられます。

現在、弊社とお付き合いのあるスタートアップからの採用ニーズとしては、以下のような方が望まれています。

●マネジメント層、経営企画の人材として高度な専門知識や交渉力、資金調達や組織作りの経験を持った方
●今後の会社の方向性や中期経営計画の策定に参画し、一緒に組織づくりをしてくれるチームワーカー
●投資銀行、PE、コンサルティングファームでの年収を基準に考えず、やりがいと将来の成功報酬に期待するベンチャースピリッツを持っている方

一度しかない人生において、新しい産業を創造しようという気概を持った方々のご登録を、心よりお待ちしています。

山本 哲史 / Tetsushi Yamamoto
【経歴】
成蹊大学文学部卒。日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)にて中小企業オーナー、個人富裕層に対し、金融ソリューション提案、相続対策、事業承継等コンサルティングに従事。在籍中、その高い実績から社長賞を含め多数の表彰を受ける。退社後、向上心あふれるプロフェッショナルの長期的なキャリアデザインと企業の課題解決をサポートする目的を持ち、アンテロープに参加。

【担当領域】
証券のセカンダリー、M&Aアドバイザリー、ベンチャーキャピタル、AI、IoT、フィンテックを中心に担当。