金融機関におけるジョブローテーションとの付き合い方

2021-07-28 執筆者:林 徹

金融領域をメインに担当している、コンサルタントの林です。私自身の過去の就業経験(メガバンク、証券会社、保険会社)もあって、現職で金融機関にお勤めの方からのご相談に対応することが多くなっています。

さて、金融で働く方が中長期的なキャリアを考えるうえで外せないのが「ジョブローテーション」です。弊社にも「これまで高めてきた専門性が生かせない部署へ異動となった」という方や、「かねてより希望している部署があるが、なかなか異動が叶わない」といったお悩みを抱えた方が、数多くご相談にいらっしゃいます。

私の主観にもなりますが、そういった方々にはまずは以下の観点から、現職での異動と転職とを天秤にかけて考えてみては、とアドバイスさせていただいております。

一つ目の観点は「自分の中での優先順位を明確にする」ということです。
例えば、転職すれば希望する業務経験を積めるといった場合に、年収を下げてでも転職するという積極姿勢もあれば、年収が下がるのなら転職はしないという考え方もあります。
どちらが正しいということではなく、転職という人生の大きな転換点を思い描いてみることで、自分が何を手放したくないのか、何を手に入れたいのか、優先順位が見えてきます。まずは自分の中で優先順位をはっきりさせることで、その後のキャリアの考え方も明確になってくるはずです。

二つ目は「転職の難易度を把握する」です。
一般的に、年齢が上がるにつれて転職のハードルは高くなります。すなわち、一定程度の年齢までに転職しないのであれば、ある業務を経験したくても現職での異動だけが唯一の道になる可能性が高くなるということです。
では、具体的に何歳をターゲットに転職するかどうかを決断すればよいのか、ということになりますが、これはその希望業務の内容や個々の企業の採用方針、その時点での人材マーケットの状況等によって変化しますので、一概に何歳と決めるのは難しいというのが実情です。
ですので、すぐに転職するかどうかにかかわらず日ごろから弊社のような転職エージェントを使って情報収集し、転職という選択肢が何年先まで使えるのかを把握しておくことが大切だと思います。

弊社には、金融をはじめとして各業界や業種に精通したコンサルタントが在籍しており、中長期的な視点から皆さんのキャリアディベロップメントをサポートさせていただいております。よりよいキャリアを歩むお手伝いが出来ればと、我々も日々研鑽しておりますので、ご自身のキャリアを考えるうえでの相談相手としてぜひご活用ください。

林 徹 / Toru Hayashi
【経歴】
大阪市立大学法学部卒。新卒で三井住友銀行へ入行。法人営業や大企業取引、SMBC日興証券人事部への出向等、幅広く業務を経験。その後、外資系生命保険会社へ転職し、通算で10年超に亘り、金融業界において様々な業務に関与する。銀行、証券、保険会社での業務経験を生かして一人でも多くの方々の決断をサポートし、豊かなキャリアを送るきっかけを作りたいと考え、アンテロープに参画。

【担当領域/実績】
投資銀行、PEファンド、アセットマネジメント/ヘッジファンド、グローバルマーケッツなどを担当。金融機関における幅広い業務経験と人事経験をもとに、金融機関勤務の方々のキャリア支援やアドバイスに強みを持つ。