希望通りの人事異動を実現するために

2021-11-24 執筆者:林 徹

金融領域をメインに担当している、コンサルタントの林です。

さて今回は、金融機関勤務の方、特にいわゆるジョブローテーションが前提の総合職の方からよくいただく「希望通りの異動を実現するためには、どうしたらよいか」という相談に対し、私なりにアドバイスをさせていただいている内容をご紹介します。

私自身、過去に金融機関で人事異動を担当したこともあり、その経験や私見からにもなりますが、希望通りの異動を実現するためにできることは2つだと考えています。

1つ目は「現職で一定の成果を残す」ことです。
希望の異動が叶う一つの基準は「この人の異動希望を実現した際に、周囲(同僚や同期)が納得するか」です。現職でまったく成果も出せず、周囲から認められていない方の希望を叶えると、同僚や同期へネガティブな影響が出てきます。
希望を叶える人事異動を行う際には、その方の仕事ぶりや評価について、ネガティブなところがないかを確認したうえで、異動が実施されます。ただし、何も特別に目を引くような成果を挙げる必要があるわけではありません。数字上の実績ではなく、取り組み姿勢が評価され、周囲から認められている方もいらっしゃいました。現職において、自分がこれは貢献できた、やり切ったという実績や成果を少しでも残していくことが重要になります。

2つ目は「資格等の外形的な基準を満たす」ことです。
例えば、同じような評価の方が2人いて、どちらもが株式アナリストになりたいと希望していた場合、人事異動担当者は、証券アナリスト資格は保有しているか、語学力はどうか、といった外形的な基準を確認します。社内で人気の部署は、希望する方はたくさんいらっしゃいますが、実はそのために必要な資格を勉強し、外形的な基準を揃えている方は、それほど多くはありません。希望する部署には、どういったスキルや素養があれば良いか、社内で色々と情報収集してみて、それに向かって、自己研鑽をすることが希望の異動を叶える近道になります。

ここまで、希望通りの人事異動を叶えるためにできることを記載してきましたが、実はこれら2つは、転職マーケットにおいて、自分のバリューを高めることにも直結しています。

現職で実績を残し、自己研鑽もしっかりとやったが、社内異動が出来なかったという場合には、転職を視野に入れてみることも、希望を叶える道のひとつです。

弊社には、金融をはじめとして各業界や業種に精通したコンサルタントが在籍しており、中長期的な視点から皆さんのキャリアディベロップメントをサポートさせていただいております。より良いキャリアを歩むお手伝いが出来ればと、我々も日々研鑽しておりますので、ご自身のキャリアを考えるうえでの相談相手としてぜひご活用ください。

林 徹 / Toru Hayashi
【経歴】
大阪市立大学法学部卒。新卒で三井住友銀行へ入行。法人営業や大企業取引、SMBC日興証券人事部への出向等、幅広く業務を経験。その後、外資系生命保険会社へ転職し、通算で10年超に亘り、金融業界において様々な業務に関与する。銀行、証券、保険会社での業務経験を生かして一人でも多くの方々の決断をサポートし、豊かなキャリアを送るきっかけを作りたいと考え、アンテロープに参画。

【担当領域/実績】
投資銀行、PEファンド、アセットマネジメント/ヘッジファンド、グローバルマーケッツなどを担当。金融機関における幅広い業務経験と人事経験をもとに、金融機関勤務の方々のキャリア支援やアドバイスに強みを持つ。