日系投資銀行へのポテンシャル転職について

2022-05-31 執筆者:林 徹

金融領域をメインに担当している、コンサルタントの林です。

若手の方から専門性を高めるという観点で投資銀行業務にチャレンジしたいというご相談をいただくことが多いのですが、そういった方に朗報です。足元で投資銀行での採用が活況になっています。特に日系証券会社の投資銀行部門においては、ある程度のポテンシャルを評価して、選考を進めていくケースも出ています。

実際にご自身がそういったポテンシャル採用の対象となるかどうかについては、ぜひ我々にご相談いただければと思いますが、以下にポテンシャルで転職する場合の一つの目線について、お伝えできればと思います。

ポイントは、採用する側の目線に立ってみることです。

日系投資銀行各社が若手人材の確保に注力しているのは事実ですが、人材確保の観点では、中途採用に加えて社内異動という方法もあります。例えば、独立系大手証券会社であれば新卒でリテール営業を経験している方を投資銀行部門へ異動させる、銀行系証券会社であれば社内のリテール営業経験者の異動はもちろん、銀行の若手も広い意味での人材プールとなり、グループ会社間の異動で対応できてしまいます。

従って、中途面接を受ける方が例えば「リテール営業で成績が良い」、「銀行の法人営業経験」のみで選考を突破することは、現実的には難しくなります。社内やグループ内の異動で対応できてしまう人材を、なぜわざわざ中途採用する必要があるのか、と考えるからです。

逆に言うとケイパビリティに「プラスα」があると、一気に選考突破の可能性が高まります。「英語がビジネス上級レベル」、「証券アナリストや米国公認会計士資格を保有」等も差別化になりますし「学生時代にESG関連の研究をしていた」といった点が評価されるケースもあります。

とはいえ、ご自身では何が「プラスα」として評価されるのか、分かりにくい部分もあると思いますので、まずは何を準備すべきなのかという中期的なご相談をいただいても構いません。

非常にハードな業界ですが、投資銀行業務経験者はその後のキャリアに幅があるのが特徴的で、様々な業界で求められる専門性を身につけることができます。チャレンジするには良いタイミングですので、ぜひご相談をいただければと思います。

林 徹 / Toru Hayashi
【経歴】
大阪市立大学法学部卒。新卒で三井住友銀行へ入行。法人営業や大企業取引、SMBC日興証券人事部への出向等、幅広く業務を経験。その後、外資系生命保険会社へ転職し、通算で10年超に亘り、金融業界において様々な業務に関与する。銀行、証券、保険会社での業務経験を生かして一人でも多くの方々の決断をサポートし、豊かなキャリアを送るきっかけを作りたいと考え、アンテロープに参画。

【担当領域/実績】
投資銀行、PEファンド、アセットマネジメント/ヘッジファンド、グローバルマーケッツなどを担当。金融機関における幅広い業務経験と人事経験をもとに、金融機関勤務の方々のキャリア支援やアドバイスに強みを持つ。