退職の引き止めには、どう対処すべきか?

2018-06-01 執筆者:山本 恵亮

転職活動が上手く進んで希望の会社で採用オファーを獲得して、
いざ現職に退職を申し出たところ、強い引止めにあって困っている、
という人が最近は増えています。

新卒で入社した大企業を退職しようという人は多く、
3年程度働いたら次のステップを検討することは、
現在の20代くらいのプロフェッショナルの間では
ほぼ常識になっているようですね。

弊社でも新卒入社前の学生ですら、新卒入社後のキャリアパスについて
相談にいらっしゃることが最近は増えています。
そのような若手人材の方々に接していて思うことは、
総合商社やメガバンク、生損保、最大手製造業などの伝統的大企業に
新卒入社する人々の中で、キャリアアップを志向する意識の高い人材は
良い経験を積んで、次のステップアップの転職につなげることを 
当たり前のようにお考えであることです。

たとえ、その会社の年収が10年後、20年後に今の何倍にもなって、
福利厚生も充実、雇用も安定しているという将来像が見えたとしても、
あっさりとそれらを捨てて、自らのキャリア形成の為にステップUPの
転職を選択する人の多いことには、しばしば驚きます。

<上司からの強い引き止め>

さて、前置きが長くなりましたが、そういった人々が転職を決めて、
現職の上司に退職を申し出たときに、強い引止めにあることが
とても増えています。

強く慰留されたり、上席にあたる人や他部門の管理職の方などとの
面談が連続して組まれることもめずらしくありません。
中には繰り返しの退職引止め交渉に疲れて、「もう、いいや」と
投げ出したくなるという人も時々います。

ちなみに、そうやって投げ出してしまった人は、大抵皆さん
後で後悔をされるのですが・・・。
でも、時すでに遅しです。。。

<退職交渉のポイント>

退職交渉で強い引止めにあって困った時は、どうすれば良いのでしょうか?
ポイントは、欲張らずに「退職」と「退職日」の2点だけ自分の要求を通し、
その他は必要であれば妥協することです。

この2つは譲れないけれども、そのほかについては全面的に協力します
という態度で、粘り強く交渉しましょう。

ここでは断固とした意思を端的な言葉と態度で示すことです。
良い顔をしようとして曖昧な言い方をすることや態度を取ることは
断腸の思いで控えます。

たとえ、現職からカウンターオファーが提示されて、
希望の部署に異動させてあげる、
年収をアップしてあげる、
と一見魅力的な条件であったとしても、
転職活動は先着順と割り切って検討するそぶりは見せないことです。
大きな組織となればなるほど、一度裏切ろうとした人に対しては冷たいものです。
いつまでも、その約束が守られるとは限りません。

退職交渉が難航した時のアドバイスを下記のサイトに掲載しましたので、
宜しければご参考にされて下さい。

参考コラム退職交渉が難航したときの対処法

それでは、希望の職を手に入れた皆さんが、
気持ちよく新しいスタートを切ることが出来るよう願っています。

山本恵亮
ツイッター

取締役山本 恵亮 / Keisuke Yamamoto
【経歴】
同志社大学商学部卒。大手人材サービス会社にて金融とIT業界を担当後、渡米。在米のコンサルティング会社で、人材採用支援、人事コンサルティング、そして新規事業の立ち上げを事業開発マネージャーとして推進し、北米での事業拡大に貢献。2004年4月アンテロープ参画、翌年同社取締役。PEファンド(バイアウト)を中心に、VC、M&A、コンサル、投資先企業の経営人材、また組織立ち上げ期におけるコアメンバー採用の支援も強み。1級キャリアコンサルティング技能士。

【担当領域/実績】
専門はPEファンド(バイアウト)、VC、エンゲージメントなど投資ファンド、投資先の経営人材など。20年のエージェント経験で培われた層の厚いネットワークを有し、業界トップから新鋭企業まで数百名に及ぶ転職を支援してきた。水面下で流通する求人案件の提案から、選考対策、希望職種の明確化も含め丁寧な支援を行っている。