コロナの影響で変化するジョブマーケット

2020-05-15 text by 山本 恵亮

私は人材仲介のエージェントとして20年ほど仕事をしていますが、これほどまでに個人や社会が短期間に変化し続けることを目の当たりにしたのは今回が初めてです。

今は過渡期ですのでコロナ後の世界がどうなるのかは分かりませんが、採用と求職者を取り持つ私の実務がどう変化しているのかを参考までにご紹介します。

変化していることは大きく3種類です。


1)個人の方々からの日中のアポイントが急増

コロナ前は夜に対面で相談を受けることがほとんどでしたが、今はオンラインで日中に面談をすることが急増しています。とても忙しく、昼間はオンライン面談が連続で入っています。クイックに日中に面談をするのが当たり前になってきました。

また、オンラインとリモートで仕事が進み、平日と週末の境界が消滅しつつあります。個人の方々とは従来から週末にお話をすることは多かったのですが、最近は企業とのやり取りも週末に進むようになっています。月曜日になると、先週の金曜日は遠い過去に感じます。

2)今すぐの転職でなく、将来のための相談が増加

特に新しい動きは、例えば今年4月の新卒入社の人々から「数年後に目指している仕事に就くために、今から何をしておくべきか?」といった相談が急増していることです。

大企業やプロフェッショナルファームに新卒入社して研修中の方々から、将来のキャリアを見据えて今の仕事で何を意識すべきか、本配属先の部署はどこを希望するのが良いか、修得しておくべきスキルはなにか、といった相談を受けています。

もちろん新卒だけでなく、数年~10数年の実務経験がある方からの相談や、昔からお付き合いがある方々との意見交換も増えています。

3)オンラインに適応している企業・個人と、それ以外の方々との分断

コロナで経済の先行きが不透明となって採用を控える企業や、対面での面接が出来ないために採用を控える企業があります。また、個人側でも対面でないと本来の自分が伝わりにくいなどの懸念からオンライン面接を敬遠する人もいます。

一方で、オンライン面接で選考をどんどん進めている企業は非常に多いです。面接に加えて、自社のことを良く知ってもらうため社員とのカジュアルな面談をセットする例もあります。オンラインだからこそ気軽に時間が取れるメリットですね。

個人も同じで、この流れに乗って選考に進んでいる方々は、対面の面接以上に応募先企業についての理解を深め、新たな職場を見つけておられます。ベテランの経営人材の方でも、オンライン選考で採用が決定しています。

コロナ後(&コロナ中)もオンライン選考が最大限に活用されるであろうことを踏まえると、オンラインから距離を置いている企業と個人は、もう戻らない新しい流れから取り残されはじめているように見えます。


以上のように、私の実務上では、面談時間、相談内容、選考方法にて変化が生じています。

この先もさまざまなことが変わり続けて、新たな世界が広がるのでしょう。その世界がどうなるのかはまだ分かりませんが、コロナ前と同じには戻らないはずです。

今やるべきことは、終わってしまうことを見極めることです。世の中においても、自分にとっても、何が終わるのか(何を終わりにするのか)を明確に認識することです。その上で、新たな始まりの兆しを見逃さないようにすることが、転機を活かすことに繋がります。


山本恵亮


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取締役山本 恵亮 / Keisuke Yamamoto
【経歴】
同志社大学商学部卒。大手人材サービスにて金融とテクノロジー業界を担当後、渡米。在米のコンサルティング会社で、人事コンサルティング、管理部門のコスト削減と業務効率化、人材採用支援などを事業開発マネージャーとして推進。2004年4月アンテロープ参画。PEファンド、投資銀行、経営コンサルティング等への転職支援を行っている。1級キャリアコンサルティング技能士。

【担当領域/実績】
専門はPEファンド(バイアウトファンド)、戦略ファーム、投資銀行が中核。また、金融とコンサルティング業界での15年のエージェント経験で培われた層の厚いネットワークを有し、業界トップ企業から新鋭ファームまで数百名に及ぶ転職を支援してきた。水面下で流通する求人案件の提案から、PEファンドや投資銀行の選考準備、ケース面接対策、希望職種を明確化するための支援まで、寄り添い型のキャリアコンサルティングを行っている。

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