アンテロープには、年間で数千人ものハイキャリア・ハイポテンシャルな方々がご登録くださっています。
金融、コンサル、商社、メーカーなど多様なバックグラウンドをお持ちの方が集まる中で、近年とくに注目を集めているのが「ベンチャーキャピタル(VC)」という業界です。
たしかに、現在のグロース市場は横ばい傾向にあり、IPOまでの道のりは決して容易ではありません。しかし、2024年のアーリーステージ向け出資額は615億円に達しており、スタートアップ投資の勢いは依然として健在です。
むしろ、堅実に成長を支えるVCの役割は、これまで以上に注目されているといえるでしょう。
◆VC業界に関心を寄せる方々の背景とは?
弊社にご登録いただいているキャンディデートの中で、VC業界を志す方の背景はさまざまです。
たとえば、過去にご自身で起業経験があり、次は“出資する側”としてスタートアップを支援したいと考える方もいれば、具体的な経験はなくとも、以下の理由から漠然とVC業界への関心を持つ方も増えています。
「優秀な人たちが集まっていそう」
「最先端の技術やビジネスに触れられるのが魅力」
「大企業での仕事がルーチン化してきたので、裁量とスピードのある環境へ移りたい」
「いずれ起業を考えており、その前にVCでスタートアップ支援の視点を学びたい」
とはいえ「VCって、具体的にどんな仕事をしているの?」「未経験でも本当に転職できるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ベンチャーキャピタリストの主な業務内容」と「未経験からVCに転職された方のリアルな声」をご紹介します。
◆ベンチャーキャピタリストの業務とは?
VC業務は大きく以下の5つに分けられます。
1. ファンドレイズ:機関投資家や事業会社から資金を募る
VCが投資を行うためには、まず資金調達が必要です。
多くのVCはファンドを組成し、機関投資家や事業会社に出資してもらうことで投資原資を確保します。
出資者にとっての主目的は金銭的リターンですが、事業会社などでは「ベンチャー企業の情報やネットワーク」を得ることを目的とするケースもあります。
2. ソーシング:投資先候補企業を発掘する
ニュースサイトやスタートアップイベントを通じて企業情報を収集したり、VC主催のイベントで起業家と出会う機会を作ったりします。
経営者との面談を通じて、ビジョンや事業戦略を深く理解し、投資判断の土台とします。
3. 投資実行:デューデリジェンスを経て出資を決定
面談に加え、市場規模・競合分析・ビジネスモデル・経営陣など多角的に検証(DD)し、資本政策を含む協議の末に出資を実行します。
4. 経営支援:資金以外の伴走支援を提供
人材採用や顧客紹介、IPO準備支援など、事業成長に向けたサポートを行います。
ステージに応じて「なんでもやる」スタンスも必要とされる場面が多く、ハンズオン型の支援が求められることもあります。
5. イグジット:IPOやM&Aでの株式譲渡
スタートアップが成長し、IPOやM&Aを迎えるタイミングでVCは株式を売却し、ファンドにリターンをもたらします。
◆未経験からVCへ──実際に飛び込んだキャンディデートのリアルな声
アンテロープでは転職後も多くのキャンディデートと接点を持ち続けていますが、未経験からVCに転職された方々からは、こんなポジティブなお声をよく伺います。
「思っていたよりもワークライフバランスが取りやすく、自由度が高い」
「社会への貢献を感じられ、やりがいがある」
「優秀な起業家とともに未来をつくるという実感がある」
実際、皆さんとてもイキイキと働かれており、こちらまで刺激を受けてしまうこともしばしばあります。
一方で、苦労していることも。
「ソーシングからバリューアップまで一人で完結させるため、最初はキャッチアップが大変」
「資金調達と投資判断はまったく別のスキルセットで、どちらかに苦手意識を持つ人が多い」
「起業家の数が限られており、出資オファーが断られることも」
「投資から3年ほどで結果が見えはじめ、5年経つと成果が明確になる。そのタイミングで転職する人も多い」
スタートアップがIPOを果たしたときの達成感は、この仕事ならではの醍醐味です。
ただし「最初に入ったVCでどれだけ良いトラックレコードを残せるか」は、その後のキャリアを左右する重要な要素になります。
そして結果が出るまでには、少なくとも5年はかかると言われており、まさに長期戦を前提としたキャリアです。
◆VC業界への一歩を検討する皆さまへ
アンテロープでは、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を含む100社以上の求人を取り扱っており、未経験の方がチャレンジできるポジションも複数ご用意しています。
「まだ具体的な転職は考えていないけれど話を聞いてみたい」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。

- 【経歴】
立命館大学政策科学部卒。地域活性化団体での経験を通じて人々の挑戦を応援できる仕事に就きたいと思うようになり、新卒で東京海上日動に入社。代理店経営支援担当として最適な保険プログラムの提案、経営課題の解決を行う。その後、モビリティ部門にて、ディーラーの経営層や現場の社員と共に自動車ユーザーに保険を提供するビジネスモデルを構築。仕事を通して一人ひとりと真剣に向き合い成長を支援していくことに楽しさを感じ、人材業界に転身することを決意。真に候補者の想いに向き合うことができるエージェントがアンテロープであると確信し参画。
【担当領域】
金融領域担当。PEファンド、VC、資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、不動産金融、グローバルマーケッツ、投資銀行等。金融業界への転職だけでなく、スタートアップ企業や事業会社への転職も支援。アンテロープのネットワークと高い専門性を武器に、候補者のご志向にあったポジションをご提案。