戦略コンサルファームのケース対策はやるべきか?

2015-10-29 執筆者:加藤 浩

戦略コンサルティングファームの選考を受けるにあたって避けて通れないのが「ケースインタビュー」。「ユニクロの売上を5年で倍にするにはどうするか?」など、いきなり難問が飛んでくるアレです。ファームによっては応募から内定までの倍率が数百倍にもなり、このケースをいかに攻略するかが最大のキーになります。しかし、これは対策をすることで、数百倍が例えば10倍くらいまでにはもっていけます。

経験上、多くの方は例えば以下のような罠にハマり、残念な結果に終わっています。

・そもそも面接官の質問に答えていない
・打ち手(解決策)を羅列して満足してしまう
・考え方や答えにリアリティがない

感覚的には上記3つだけで、100人中70人くらいの方が該当してしまっています。ロジカルシンキング、フレームワークといったものももちろん重要ですが、上記を避けるだけでも結果は大きく変わってきます。

例えば「面接官の質問に答えていない」パターン。これは面接冒頭の雑談から既に起こったりします。「現職ではどういう仕事をしているのですか?」と聞かれているのに、現職の会社の事業内容を答えてしまったり、営業成績などの自己PRを交えてしまったり。自分はそんな回答しないだろうと思っても、冷静さを保ちにくい面接の場ではよくあります。

「打ち手を羅列してしまう」パターン。これも多いです。「ユニクロの売上を上げるには?」というテーマに対し、問題点を明示せずに「こういう商品を開発」「シニア層をターゲットに」「こんなCMを打つ」「価格を上げる」などと、アイディア勝負に走ってしまうパターンです。残念ながら、この瞬間に面接官からNGを(心の中で)出されています。

ケース対策はやるべきか? やはり、やるべきです。ただ、ケース対策というとつい、色々なフレームワークを覚えたり、という方向に走ってしまうのですが、実はそういったことはあまり必要ありません。むしろ、社長になったつもりでリアルに想像し、考えられるか、というトレーニングを行った方がよっぽど効果的です。

よく「地頭」がいい人がコンサルに受かる、といいますが、地頭が良くてもこうした暗黙のルールや作法を知らないだけで落ちてしまう方が本当に数多くいます。我々としては、本来はコンサルに向いていらっしゃるという人材に適切な機会提供ができるよう、全力で支援してまいります。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。