コンサルファームの筆記試験対策

2015-11-25 執筆者:佐藤 史子

コンサルティング業界への転職の関門のひとつに、筆記試験があります。特に戦略コンサルティングファームは難易度の高い筆記試験を課すため、相応の対策が必要です。

最近のコンサルティング業界の人材不足と採用競争の激しさを反映してか、一部の戦略ファームにおいては筆記試験が免除されたり、一定の年次以上の方はそもそも試験を行わず、選考プロセスを簡素化するところも出てきています。しかしながら、業界全体を見ると、やはり面接に進む前に筆記試験をパスしなければならない会社はまだまだ残っており、特に職務経験の短い、第2新卒やそれに準じた方は、筆記試験を通じてポテンシャルを計られる傾向にあるのも事実です。

せっかく面接対策や業界研究を万全に行っても、面接の本戦にたどり着く前に落とされてしまってはもったいないですね。ただ、難易度の高い筆記でもしっかり対策をすることで通過の確度を上げることは可能です。実際、多くの方々が私たちのご提供する関連書籍や問題の傾向についての情報をもとに、事前の対策を行って、難関試験をパスしています。

コンサルティグ業界で行われている筆記試験を大雑把に分類すると、以下のようになります。


・GMAT Critical Reasoning
GMATテストの1セクションである「Critical Reasoning」はもっとも難易度の高いセクションです。選択問題で、論点、論旨、論脈を正しく理解する力を問うものです。例えば「Aという主張に対する反証として最適な事実を次の5つから選びなさい」といった形式です。

・判断推理
公務員試験で出題されるのと同種類の試験です。大きくは「論理」「対応関係」「順序」「嘘つき問題」「平面図形」が代表的な項目で、一定の事実の羅列からパターンを認識したり、類推する力を問うものです。

・数的推理/計算問題
判断推理同様、公務員試験の形式のひとつ。文字通り、表やグラフを読み解き、正しい記述を選択したり数字を計算するものです。

・SPI
リクルート社が提供する適性検査で「性格検査」「能力検査」の2つで構成されます。能力検査は「言語」「非言語」の2つのパートでできています。

・GAB/CAB
SHL社が提供する適性検査。GABは「言語」「計数」、CABは「暗算」「法則性」「命令表」「暗号」といったパートから構成されています。一般的な適性検査の中では、難易度は高い方とされており、戦略ファームでも類似の問題が出ることがあります。


転職活動中はケース対策や各社のリサーチなどやることが多く、現実的にはこれらすべてをカバーするのは難しいので、準備は出来るだけ効率よく進めたいですね。また、解くスピードを重視すべきか、点数を取れるところで確実に取っておくべきか、ちょっとしたところで結果に差が出るのも事実。地道に対策をするのはもちろんですが、準備の仕方や当日の取り組み方など、コツを知っているか否かで結果はずいぶん違います。

準備の仕方を熟知したエージェントと活動することで、筆記試験通過のを上げていきましょう。我々も二人三脚でサポートして参ります。

佐藤 史子 / Fumiko Sato
【経歴】
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒。新卒で大手新聞社に入社し、取材記者として勤務。その後大手総合人材サービス会社を経て2008年より現職。人材業界でのキャリアは通算15年以上にわたる。

【担当領域/実績】
コンサルティング業界担当。毎年年間200名以上の候補者の転職やキャリア形成をサポート。外資系戦略コンサルティングファーム、総合系ファーム、会計系財務アドバイザリーファームを中心に業界でのネットワークを広く持ち、現役コンサルタントの方々との日々のコンタクトを通じて業界の生の情報に触れ、コンサルティング業界の最新動向やキャリア形成に関する知見を磨く。これらをソースにした的確な転職アドバイスに強み。大手ファームへの転職支援はもちろん、ポストコンサルの方々のファンドや事業会社のコアポジションへの転職支援実績も多数。