サムライインキュベート

第1回:世の中にないものが生み出される瞬間に立ち会う仕事

サムライインキュベート
共同経営パートナー Chief Strategy Officer 長野 英章
PROFILE

カナダ・オーストラリアへのバスケットボール留学の後、2010年グルーポン・ジャパンや2011年Wimduの日本チーム立ち上げに従事した後、ダイマーズラボを創業。2015年オプトとの合弁会社であるオプトインキュベートを設立し、代表取締役COO就任。複数事業の立ち上げ、大企業との共同事業、新規事業立ち上げのコンサルプロジェクトを推進。 2017年より株式会社サムライインキュベートへ参画し、共同経営パートナー Chief Strategy Officerに就任。独自のフレームワークを開発し、大企業のオープンイノベーション支援、新規事業の立ち上げ伴走支援、キャピタリストとして投資業務等に従事している。

目次
  1. -リアルビジネスにこそイノベーションの余地が大きい
  2. -シード段階にあるビジネスの“掘り起こし力”が求められる
  3. -起業家の可処分時間を増やしてあげることにこだわり
シード段階にあるビジネスの“掘り起こし力”が求められる
他のキャピタリストの方に聞くと、大企業とベンチャーのコラボレーションではスピード感にギャップがあるケースも散見されるようなのですが、その点はいかがでしょうか。
長野
事業を推進するという部分で大企業側の意思決定が遅いと感じたことは、一度もないですね。逆に、出資判断も含めて「ちょっと速過ぎませんか」と思うことがあるくらいです。あるとすれば、会社の規模が大きいのでアセットがたくさんあること、内部にチャレンジしたいと考えている方がたくさんいることで、やりたいテーマが多すぎてスコープが決めきれない、というのが実態に近いかもしれません。ですので、我々もその段階では丁寧にコミュニケーションをとらせていただきますが、いざ方向が決まってしまえば、こちらの想定を超えたスピードで物事が進んでいく、という印象ですね。
御社ではスタートアップのソーシングは、どのように行っているのでしょうか。
長野
ひとつは、LP企業と共同でピンポイントのテーマを設定し、そのテーマでコラボレーションしたいスタートアップを公募する「BootCamp(ブートキャンプ)」というプログラムです。2日間かけて協業案をブラッシュアップしていき、最終プレゼンで審査を通過すると希望により出資を受けられることになります。また、もう少し幅広いテーマ、例えばMaaS全般、物流全般といった粒度でアイデアを持っている方を募集する「The First Movers」Hands “In” Batch Programという、3カ月ほどかけて行うイベントもあります。それ以外にも、他のVCさんからのご紹介や直接ホームページに問い合わせいただくこともあります。
VCのソーシングルートはほとんどが人的ネットワークという話も聞きますが、御社は少し違っている印象ですね。
サムライインキュベート長野英章氏インタビューカット2
長野
もちろんネットワークが非常に重要であることには違いないのですが、僕らの場合は創業の一番初めの段階で投資させていただくことが多いので、どちらかというとシード段階にあるビジネスの“掘り起こし力”の方が求められるのかなと思っています。例えば最近ではダイキン工業様と組み、空気で価値を作っていく「Air tech」というテーマでブートキャンプを行いましたが、そういったキーワードを作って新たなビジネスを掘り起こしていく、啓蒙していく力が必要になります。一方、我々にとってネットワークが必要になるのは、ゼロイチで立ち上げたスタートアップが成長し、次のラウンドで他のVCさんにバトンタッチするタイミングだったりします。その意味でネットワークが必要なステージが、他社とは少し違うと言えるかもしれないですね。
ビジネスの掘り起しというのは起業そのものとも言えるわけで、シード特化のキャピタリストには自分自身に起業家の素養がないと勤まらないように思いました。
長野
起業家というのは完全に自走している人たちなので、そういう人に伴走するには彼らの先を行かなければマインド面でついていけないということはあると思います。こんなことに困っている、と言われてから動くのではなく、彼らがまだ気づいていない課題に先回りして対処していくようなスタンスでないとキャピタリストの意味はないと思いますし、自分のチームのメンバーにもそういった話をよくします。
成熟企業に投資するPEと違って、シード期のベンチャーを価値評価するのは難しいと思うのですが、その面白さはどこにあるのでしょうか。
長野
私自身は、最初のふわっとしたアイデア、何となくこんなことがやりたいという起業家の想いを実際に形にしていけるというのがシードVCの醍醐味だと思っています。世の中にないものが生み出される瞬間に起業家の隣で立ち会えるというのは、非常に面白い仕事です。一方で、起業家のモチベーションが高いのにこちらの知識が不足していたり、アドバイスのピントがずれていて事業がうまく成長しないような時はつらいですね。もちろん成功する事業ばかりではないのですが、僕らはこれまで何千という事業を見てきて勝ちパターン負けパターンは理解できているので、それを活かせない時は起業家だけのせいでなくVCとしても課題があるという風に考えて常に上を目指しています。

企業プロフィール

サムライインキュベート

2008年創業のシード期特化型ベンチャーキャピタル。日本、イスラエル、アフリカの3拠点を有する。スタートアップのアイデアブラッシュアップ~事業立ち上げと成長に必要なフレームワークを提供し「ハンズイン」で伴走する。バーティカルメディア事業などを展開する「ポート」や、アパレルレンタルサービスの「エアークローゼット」など、投資実績多数。また2018年に組成した6号ファンドは、目標を超える34.5億円でクローズしている。 また、イノベーション支援事業も行っており、オープンイノベーション等に取り組む大企業の事業創出支援も行う。両事業から世界をより良くする革新的ビジネスの創造を目指す。

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