転職を成功させるための第一歩

2014-03-28 執筆者:山本 恵亮

私は、転職を成功させるための第一歩は「自分が主体的な考えを持てているかどうか」だと思います。キャリアコンサルタントを10年以上続けていると、ご相談をいただく方が転職活動に成功出来る時期か、もしくは今応募してもご苦労されそうな時期か、大体目途がつきます。何を持って目途がつくのかと言えば、表面的には言動がポジティブかネガティブか、ということに表れてはいますが、本質的にはその方が「主体的に考えて、自らの行動を選択しようとしている状態かどうか」ということだと思います。

同じ人でも主体的に考え行動出来ている時期と、そうでない時期があります。例えば1日の中でも、仕事のトラブルを解決するために自分に何が出来るか考え行動している時もあれば、上司に怒られて「なぜ上司はわかってくれないのか」とネガティブになって落ち込む時もあるでしょう。この様に、同じ人でも主体的な時とネガティブな時では、まるで別人の様な言動をしていることがわかると思います。後者を見てみると、自分ではコントロール出来ない外部からの事象に、感情的に反応しているだけであることがわかると思います。この時期の発言は後ろ向きになり、その人物に対する印象も良いものとはならないでしょう。これでは転職活動で評価されにくいということは想像に難くありません。

他方、同様の環境でも「その中で自分が出来ることは何か」と考え仕事をし、「そこから自分が学んだことは何か」ということに意識が向いている時は、外部からの影響に対する自分の行動を選択しています。この選択をしているところに自分の意思があり、更に「全ての起きていることは自分が選択した結果である」と主体的に考えることが出来ています。その様な状態であれば、その環境の中で自分はどう考え行動して、何を成し遂げたのか、そして、次は何をやりたいのか、自信を持って話せると思います。当然その様な人物に対する印象は非常にポジティブなものになるでしょう。

この様に同じ人でも主体的な時期とネガティブな時期では、本人の言動や周囲からの印象が大きく異なります。転職といった重要な選択をする時には、当然主体的な時期に行う必要があると思います。人は無意識のうちに主体的になったり否定的になったりしていますので、自分がどちらの状態なのかセルフチェックをしてみると良いと思います。例えば、普段仕事をしている中でふと頭に浮かんだ考えが、自分が主体で自己成長につながる考えをしているのか、他責で否定的なものなのか、自らの感情から距離を置いて考えてみては如何でしょうか。また、寝る前に1日を逆再生して、あの時は主体的だったな、この時は否定的だったな…と振り返ってみることもお勧めです。そして、自らを主体的な状態に持っていったうえで、転職といったご自身の人生において重要なプロジェクトに取り組まれてはいかがでしょうか。

取締役山本 恵亮 / Keisuke Yamamoto
【経歴】
同志社大学商学部卒。大手人材サービス会社にて金融とIT業界を担当後、渡米。在米のコンサルティング会社で、人材採用支援、人事コンサルティング、そして新規事業の立ち上げを事業開発マネージャーとして推進し、北米での事業拡大に貢献。2004年4月アンテロープ参画、翌年同社取締役。PEファンド(バイアウト)を中心に、VC、M&A、コンサル、投資先企業の経営人材、また組織立ち上げ期におけるコアメンバー採用の支援も強み。1級キャリアコンサルティング技能士。

【担当領域/実績】
専門はPEファンド(バイアウト)、VC、エンゲージメントなど投資ファンド、投資先の経営人材など。20年のエージェント経験で培われた層の厚いネットワークを有し、業界トップから新鋭企業まで数百名に及ぶ転職を支援してきた。水面下で流通する求人案件の提案から、選考対策、希望職種の明確化も含め丁寧な支援を行っている。