資産運用関連の採用ニーズ

2022-08-31 執筆者:鈴木 勝則

明日から9月、新しい月が始まりますが、資産運用関連の採用ニーズは引き続き強く、幅広い業種と職種で募集が行われています。

本邦アセットマネジメント会社では、外貨建て資産の運用拡充に向けて運用部門の採用ニーズが強まっています。特に外部委託運用から自家運用にシフトする動きが見られ、外国株式や外国債券のアナリスト・ファンドマネージャーの募集が出てきています。

その他運用部門では、オルタナティブ投資の採用ニーズが引き続き強く、一定のファイナンス知識と英語力のある若手の場合、未経験者でも採用の対象になっています。

一方で経験者採用ではESG関連のニーズが強く、ジュニアからシニアまで幅広い年次が採用の対象になっています。

また、外貨建て資産やオルタナティブ資産の運用ニーズが拡大するのとともに、商品企画や商品組成でも募集が拡大しています。

外資系の運用部門の採用はいったん落ち着きをみせていますが、ヘッジファンドなど絶対収益のファンドではセレクティブに採用が継続しています。

セルサイドでは、ラップ口座など投資一任サービスのポートフォリオマネージャーの採用が継続しており、ファンドマネージャー経験者を対象にシニア人材の募集も行われています。投資一任サービスの拡充に伴い、当該部門のミドル・バックでの募集も行われており、運用会社から証券・銀行への転職のケースも出てきています。

セールス関連は、外資・日系とも機関投資家営業のニーズが強く、金融法人営業は即戦力採用を中心に、一部で未経験採用も行われています。日系は年金営業と海外営業に採用意欲があり、特に海外営業は語学力が高ければ業界経験を問わないポジションもあり、異業種からのキャリアチェンジも不可能ではありません。

また、銀行・証券のウェルスマネジメント部門も一定のニーズがあり、外資でも採用拠点を複数に広げて募集が行われています。

ミドル・バックでは、法務・コンプライアンスの需要は継続しており、特にオルタナティブ資産の知見がある人材は市場価値が高くなっています。

市場の先行きに対する不透明感はあるものの、資産運用関連の採用ニーズはいまだに旺盛です。関連業務のキャリアをお考えであれば、ぜひ弊社のコンサルタントにご相談ください。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
中央大学理工学部卒。シティバンク、エヌ・エイにて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。20年以上に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。