最新の資産運用関連の採用ニーズ

2023-08-18 執筆者:鈴木 勝則

足元の資産運用業界の採用ニーズは、日系と外資系でいくぶん温度差が生じています。

日系運用会社は引き続き採用意欲が旺盛で、運用、営業ともに様々な募集ポジションが見られます。中には若手の未経験採用を行うポジションもあります。

その日系の運用関連求人ですが、大手にはインデックス関連のポジションが目立ちます。また、経験値を要するものが中心となりますが、株式アクティブ運用の募集も継続しています。
ファンドオブファンズの運用やゲートキーパー業務では、引き続きオルタナティブ資産関連の募集が活発で、若手未経験の採用も行われており、英語力と金融商品に対する一定の知識を持つ金融経験者であれば対象となる案件も出ています。
営業部門も金法・年金・リテールともに採用が行われており、特にリテール向けのマーケティングや資料作成のニーズが強まっています。

一方、外資は採用に慎重な姿勢を見せており、特に大手金融グループの運用会社は、リプレイスによる経験者採用に限定されています。

独立系の外資運用会社は営業を中心に採用を継続しており、一部では未経験採用も行われています。ただし、未経験採用でも何らかの関連業務の経験を求めるため、証券・銀行以外からの転職は、引き続きハードルが高いです。
運用部門やプロダクト・マネージャーはいったん充足していますが、各社ともシニアのリタイヤに伴う潜在的な採用ニーズは見られるため、来年に向けて動きが出てくることが予想されます。

外資・日系とも、ヘッジファンドの採用はコンスタントに行われており、株式アナリスト経験者以外にも、投資銀行経験者を採用の対象として募集を行っています。

ミドル・バック関連は、パフォーマンス分析やリスク管理、資料作成、投信計理など、日系を中心にコンスタントに募集が行われています。ただ、ミドル・バック関連は経験者採用が中心であるため、業界未経験の場合は高いITスキルや数理能力が求められます。

以上のように、資産運用業界は日系を中心に引き続き採用意欲が高い状態が続いています。より詳しい募集状況は、弊社コンサルタントにお問い合わせください。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
中央大学理工学部卒。シティバンク、エヌ・エイにて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。20年以上に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。