日系コンサルティングファームから外資系ファームへの転職について

2022-11-30 執筆者:藤沢 将貴

コンサル業界をメインに担当している藤沢です。
この1年で日系コンサルティングファーム出身者の方々の外資系ファームへの転職支援をさせていただく機会が多くありましたので、今回のコラムでは2022年の転職市場の状況と合わせてその振り返りをさせていただければと思います。

日々行っているキャリアミーティングにおいて、新卒で日系コンサルファームに入社された方々とお会いすることが多々ありますが、皆さん共通して「自分では外資系ファームへの転職は難しいのではないか」とお考えになっている印象があります。背景としては、新卒就活時に外資系ファームの選考を受けた経験があってその時の面接でのハードルの高さが記憶に残っていることや、実際にコンサル業界に身を置いているからこそ想像できる、外資系ファームで求められる思考力、プレゼンテーション能力、ドキュメンテーションスキルなどのレベルに怯んでしまう、ということがあげられると思います。また、漠然と英語力が不足していることなどを理由に難しさを感じられている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、昨今のコンサルティング業界の転職市場の状況と照らし合わせると、現実はそうした認識とは少し状況が異なっています。
IDC Japan株式会社が2021年7月に発表した「国内コンサルティングサービス市場予測」によると、コンサルティング業界の市場規模は2020年の8623億円から2025年には1兆2551億円に到達すると予測されています。コンサルティングサービスを労働集約型の人工(にんく)ビジネスと捉えると、5年間で1.45倍の人員が必要になることになります。であれば、各コンサルティングファームとっては優秀な人員の確保が最大の経営課題となってきます。

それでは、企業側が採用したい人材とはいったいどんな人材なのでしょうか。複数のファームのパートナーの方々との会話から感じるのは、やはりニーズが強いのはコンサルティング業務経験者だということです。特に日系ファームではマルチアサインでプロジェクトに関わっている場合が多く、外資系ファームの3年間と日系のそれとでは、経験プロジェクト数に大きな開きがあるのが一般的です。ある外資総合系ファームのパートナーは、同じ在籍期間であれば自社よりも日系ファームの若手の方が経験値が高い、と断言されていました。すなわち、日系ファーム出身の方々が考えているよりも、その経験は外部で高く評価される場合が多いのです。

今年これまでに私が転職支援させていただいた日系ファーム出身者は12名いらっしゃったのですが、いずれも外資系ファームへの転職を成功させて平均247万円の年収アップも実現されました。また、マルチアサインからシングルアサインへ変わることで、ワークライフバランスも整えられることを実感されています。この結果が、日系ファーム出身者への今の引き合いの強さを表しているかと思います。

現在コンサルティングファームで働かれている方の中には、扱う領域やテーマを変えたい、業務環境を変えたい、年収・働き方を含めた待遇を改善したいとお考えの方々が多くいることと思います。弊社では、皆様のご志向性に合わせて最大限の可能性のご提示ができればと思っていますので、悩まれた際はぜひカジュアルにご相談いただければと思います。

藤沢 将貴 / Masaki Fujisawa
【経歴】
立命館大学経営学部卒。新卒で国内コンサルティングファームに入社し、コンサルタントとして商社、製造業、金融機関、ホテルチェーン、カーディーラー等の幅広い業界でコンサルティングを提供。業界で培った知識・経験をもとに、豊かな個人のキャリアデザインをサポートするためアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
コンサルティング業界、ベンチャー企業、スタートアップなどを担当。第二新卒、未経験でのコンサルティング業界への転職、ポストコンサルの支援に強みを持つ。