2026年上期 投資銀行の採用動向と下期の見通し

2026-07-27 執筆者:林 徹

2026年1~6月の投資銀行領域における採用動向を振り返ってみたいと思います。

2021年から2024年にかけては、コロナ禍の影響もあり、外資系投資銀行各社では採用抑制や人員削減が続き、日本の中途採用マーケットも全体として低調な状況でした。
しかし、2025年に入るとマーケット環境の改善を背景に徐々に採用が再開され、2025年夏頃から2026年春頃にかけては、外資系投資銀行による中途採用が非常に活発な時期となりました。

外資系投資銀行が主な採用ターゲットとしているのは、日系投資銀行に所属するアナリスト、アソシエイト、VPクラスです。コロナ禍で採用が停滞していた2021~2024年には、本来であれば外資系投資銀行へ転職していた可能性のある人材が日系投資銀行に数多く残っていました。そのため、採用再開後は候補者層が厚く、各社とも比較的短期間でヘッドカウントを充足していった印象があります。

一方で、足元では状況にも変化が見られます。現場レベルでは依然として採用ニーズは高いものの、ヘッドカウントの承認基準は以前より慎重になりつつあるという声も複数の外資系投資銀行から聞かれます。採用マーケット全体としては依然堅調ですが、2025年後半から2026年前半ほどの勢いはやや落ち着き始めている印象です。

一方、日系投資銀行では、M&A案件の増加に加え、外資系投資銀行への人材流出もあり、引き続き高い採用意欲を維持しています。
もっとも、経験者採用では外資系投資銀行との競争が激しく、他の日系投資銀行から人材を獲得することも容易ではありません。そのため、多くの日系投資銀行では投資銀行未経験者を対象としたポテンシャル採用にも積極的に取り組んでいます。

具体的には、
・Big4 FAS等でM&Aアドバイザリー経験を有する方
・監査法人で公認会計士として勤務されている方
・メガバンクの若手行員
・総合商社の若手社員
・戦略コンサルティングファーム出身者
・M&A仲介会社で実務経験を積んだ方
などが、主要な採用ターゲットとなっています。

もっとも、日系投資銀行各社が一様に同じ採用方針というわけではありません。採用ニーズの強さや募集ポジションは時期によって変化しますし、各社ごとに評価するバックグラウンドや年齢層にも違いがあります。
また、ポテンシャル採用についても、応募するタイミングが結果を左右するケースがあります。同じようなバックグラウンドを持つ方でも、募集状況によっては内定に至ることもあれば、書類選考で見送りとなることもあります。

2026年下期以降については、外資系投資銀行では足元で採用の勢いがやや落ち着いているものの、案件状況や組織体制の変化に応じて、採用ニーズが再び強まる企業も出てくると見ています。

一方、日系投資銀行では、各社の採用タイミングや募集人数には波があるものの、人材不足を背景としたポテンシャル採用ニーズは引き続き継続すると考えられます。

投資銀行経験者、未経験者を問わず、転職のチャンスは引き続き存在していますが、「どの会社に」「どのタイミングで」応募するかによって結果が大きく変わるマーケットになっています。

林 徹 / Toru Hayashi
【経歴】
大阪市立大学(現・大阪公立大学)法学部卒。三井住友銀行へ入行し、法人営業/大企業取引、SMBC日興証券人事部出向等、幅広く業務を経験。その後、外資系生命保険会社へ転職。通算10年超に亘り、金融業界で様々な業務に関与した後、多くの方々の決断をサポートし、豊かなキャリアを送るきっかけを作りたいと考え、アンテロープに参画。

【担当領域】
日系/外資投資銀行、日系/外資PEファンド、M&Aアドバイザリー、アセットマネジメント(特にオルタナティブ投資関連領域)等を担当。

【直近の主な支援実績】
・日系金融機関 → PEファンド
・日系投資銀行 → 外資投資銀行
・総合商社 → PEファンド
・日系金融機関 → 外資アセットマネジメント(オルタナティブ)
・外資投資銀行 → 外資アセットマネジメント(オルタナティブ)
・外資投資銀行 → PEファンド
・外資投資銀行 → 外資PEファンド