運用・営業・ミドルバックで広がる転職機会

2026-10-08 執筆者:鈴木 勝則

資産運用業界の採用ニーズは引き続き強く、運用から営業、ミドル・バックまで幅広いポジションで募集が行われています。

まず、ここ数年採用が活発なプライベートアセット関連ですが、足元でも引き続き多くの求人が見られます。中でもプライベートデットを含むプライベートクレジット関連のニーズは強く、特にプロダクトスペシャリストでは、日系・外資系ともにジュニアからシニアまで幅広い年次を対象とした募集が行われています。プライベートアセットへの投資拡大を背景に、運用そのものだけでなく、商品を理解し、投資家に分かりやすく説明できる人材へのニーズも高まっています。

一方、伝統的資産についても採用は活発です。株式ではリサーチからアクティブ運用、インデックス運用、クオンツ運用まで、日系大手運用会社を中心に幅広く募集が見られます。債券についても、ソブリン、クレジット、インデックス運用など、こちらも日系運用会社を中心に複数の募集があります。特定の運用スタイルに採用が偏っているというより、それぞれの領域で経験者を求める動きが出ています。

営業部門の採用も引き続き活発です。特に投資信託を販売する銀行や証券会社などを担当するホールセラーは、日系・外資系を問わず募集が多く見られます。運用商品が多様化する中、単なる営業経験だけでなく、商品知識やプレゼンテーション能力を持つ人材へのニーズが高まっています。

ミドル・バック関連では、商品企画や商品組成の募集が目立っています。伝統的資産に加えてプライベートアセットなど取り扱う商品の幅が広がっていることもあり、商品開発やファンド組成に関する経験を持つ人材への需要は引き続き強い状況です。また、コンプライアンスについても日系・外資系ともに募集が多く見られます。

採用対象については、外資系運用会社では基本的に同業務の経験者を求めるケースが中心ですが、日系運用会社ではポジションによって業界・職種未経験者を採用するケースもあります。特に若手の方にとっては、他の金融機関や異なる職種から資産運用業界へキャリアチェンジする機会も増えています。

ただし、「未経験可」といっても、まったく知識やスキルを問われないわけではありません。投資信託の仕組みに関する基礎知識や金融マーケットに関する知識に加え、ポジションによっては英語力やExcelをはじめとするPCスキルなど、業務を行ううえでのベースとなる能力が求められます。未経験から資産運用業界への転職を目指す場合には、こうした基礎的な知識やスキルを事前に一定水準まで高めておくことが重要です。

このように、現在の資産運用業界ではプライベートアセットだけでなく、伝統的資産、営業、ミドル・バックまで幅広い領域で採用が行われています。経験者はもちろん、これから資産運用業界を目指す方にとっても、ご自身の経験やスキルを整理したうえで幅広く可能性を検討できる環境になっていると思います。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
中央大学理工学部卒。新卒でシティバンク、エヌ・エイに入社し、外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。四半世紀に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、銀行・証券のグローバルマーケッツ部門等、資産運用部門や市場部門を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報とネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。