Antelope Summary Report

[Antelope Summary Report No.182 ]エージェントの選び方

2016.02.24

Antelope Summary Report ≪ No.182 ≫

~ Short Report ~

2016年2月24日(金)
アンテロープキャリアコンサルティング株式会社
http://www2.antelope.co.jp/e/105962/2016-02-24/bx22l/21711343

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「エージェントの選び方」小倉基弘

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★ エージェントの選び方

あなたが20代後半から40代、場合によっては50代で何かしらの専門性を持ってプロフェッショナルの道を歩んでいた場合、自分のキャリアについて相談をするエージェントをどのように選んだら良いのでしょうか。

多くの場合、転職エージェントの集合サイトに登録するか、検索エンジンで自身の専門性に関わるキーワード、例えば「M&A」「投資ファンド」「戦略コンサルティング」等と「転職」「エージェント」をかけあわせて探し出し、登録するのが一般的かもしれません。

そこで出会ったエージェント(自分の担当者)が本当に頼れるのか、本物なのかは以下の質問をすることによって凡そわかります。


●この仕事を何年やっているのか(もしくはターゲットとしている業界で何年経験したのか)?

社会人経験が少なく(1~3年)、自らに転職経験がないエージェントにプロフェッショナルとしての自分のキャリアを相談する気にはならないし、そういう人材がエージェント業務を行っている紹介会社であれば、対象はせいぜい第二新卒なのだろう。

●自分が転職しようとしている分野に専門性があるのか?

時折、どの業界もどの職種も対応しているというエージェントがいるが、これはどの分野にも専門性がないと言っているのと同じ。プロフェッショナルを相手にするのであれば、この業界、この職種(フロント、ミドル、バック)という専門性がなければ話を聞いてもらっても無駄である。例えば投資銀行のフロントを担当しているのであれば、M&A、バンカー、キャピタルマーケットの職務内容の違い、キャリアパスの違い、外資系・日系での組織構造、それによるスキルの違いを説明することができ、また加えて業界での人脈がなければ提供される情報は表層的にならざるを得ない。

●担当分野の直近のトピックにはどんなものがあるのか?

業界のトピック、シニアレベルの人材の異動(転職)について知らないのであれば、情報収集能力がないのか、その努力を怠っているのか、そもそも業界の人材との接触が足りないエージェントの可能性があり、相談するのは危険である。

●紹介してくる案件の採用意思決定権者とのネットワークはあるのか?

プロフェッショナル向けのエージェントに重要なのは人事とのネットワークではなく、部門ヘッドもしくは(小規模の会社、ファームであれば)代表者、つまり採用意思決定権者とのネットワークである。人事とのネットワークしか持っていないのであれば情報は断片的、表面的なもので相談するに値しない。

●紹介してくる案件の採用背景を理解しているか?

勤務時間、休日日数、福利厚生も大事かもしれないが、プロフェッショナルが本当に気にしているのはそういったことではなく、ポジションの採用背景、その先のキャリアパスである。今回のポジションがオープンになっている背景、部門の構成、部門ヘッドの性格、このポジションに就いた場合、将来どのようなキャリアパスが待っているか、である。これを把握していないエージェントは、上記の採用意思決定権者とコミュニケーションをとっていないのである。

●紹介してくる案件は同じ業界の他社案件と比較した上で薦めているのか?

時折あることだが、ある1社もしくは1部門のヘッドと以前同じ会社で働いていた等の理由で人間関係が親密で、その小さなサークルの中でのみ紹介を行うエージェントが存在する。これ自体は採用意思決定権者との強いネットワークという点では良いことであるが、それ以外の同業他社の情報をまったく持っておらず、候補者にとっては比較ができない中で意思決定を行わざるを得ないため、良い紹介スタンスとは到底思われない。

●面接対応についてはサポートしてもらえるのか?

当然、誰にでもあてはまる一般的な面接アドバイスではなく、テーラーメイドの面接情報の提供があるのかが重要である。同じ会社であっても面接者によって質問内容、重視する点が違う。また戦略系コンサルティングファームのように、特殊なケースインタビューを行う場合もある。幾つかのプライベートエクイティでは、これも特殊なモデリング試験を行う。こういった情報提供、対応についてのアドバイスを行ってもらえるのがエージェントの価値でもある。

●プロセス途上の対応はどのようなものか?

面接プロセスが開始された後、日程調整は当然として、給与、タイトル、場合によってはサインオンボーナス等の交渉、退職交渉のサポート、入社に際するアドバイスが必要になるケースがある。また面接でNGが続いた場合に何が原因かをともに考えたり、モチベーションを保てるようにフォローアップしていくこともエージェントとして重要な役割である。

●長期的に付き合う気持ちはあるのか?

転職の成功は、新しい転職先に入社することではない。その機会でパフォーマンスを発揮し、その後の長いキャリアの中で成長していくことができて初めて「成功」といえる。入社後、組織にソフトランディングできるようコーチングを提供すること、その後に続くキャリアデザインを真剣にサポートしてくれることが重要である。数年で業界を去ってしまうエージェントも多い中で、長期的に個人のキャリア構築にコミットし、相談にのり、情報、アドバイスを提供してくれるエージェントでなければ付き合う価値がない。


インターネットを介したマッチングサービスや情報が溢れている今日、私たちのように対面で人材エージェントビジネスを行っている者にとって、上記のようなサービスがあるべき姿であると思います。もちろん私たちもすべて完璧に対応できているわけではありませんが、謙虚に、しかし誇りを持って、日々サービスの高度化を推進していくことがエージェントとしての務めなのです。


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