Antelope Summary Report

[Antelope Summary Report No.195 ]PE投資という仕事のやりがい

2017.03.29

Antelope Summary Report ≪ No.195 ≫

~ Short Report ~

2017年3月29日(水)
アンテロープキャリアコンサルティング株式会社
http://www.antelope.co.jp/

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「PE投資という仕事のやりがい」 山本恵亮

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★ PE投資という仕事のやりがい
数々の企業に投資してその企業を立て直してきた世界トップのPE投資ファンド「カーライル」。そのカーライルで投資プロフェッショナルとして活躍中のディレクター・渡辺雄介さんに仕事への思いをお聞きする機会があったのですが、そのお話が勉強になったのでご紹介します。

渡辺さんはPE投資の仕事に就いて10年強で、投資案件の発掘から投資実行、投資先企業のバリューアップ、EXITまで一連のプロセスをリードしておられる企業投資の熟練者です。

渡辺さんが手掛けた案件に、ある地方の食品加工会社の事業承継案件があります。その会社は農産物を加工して小売店へ卸す事業を行っており、オーナー社長が1代で起こして大きくした会社です。畑の中に社屋があって、社長が一つひとつ社員に作業を指示して、その分野では国内有数の会社へ育て上げました。そして、社長がふと我に返った時、自分が世間では引退の年齢をはるかに過ぎており、会社内には後継者も育っていない、という現実に直面されたのです。後継者がいないどころか、仕事のプロセスなどノウハウはすべて社長の頭の中だけにあり、社員は社長の指示に従って作業をするだけであったため、社長が引退したら事業がストップしてしまうかもしれない、そんな状態でした。

こういう会社、結構多いそうです。せっかく創り上げた会社を後世に残したい、そう思っていた社長のところに渡辺さんが訪れ、事業承継のためにカーライルが株式を社長から買取ること、そして会社を社長の指示だけで動く状態から、組織で事業を回していけるように大改革することを提案しました。

社長の信頼を得て渡辺さんの提案が受け入れられ、投資を実行して改革に取り組むも、会社組織のあり方を変えるというのは簡単なことではないのですね。当初、会議では社長だけが話して、他の役員は一切口を開かず黙っている状態。建設的な発言などまったくなく、完全な指示待ち文化であったそうです。

そのようなところからのスタートでしたが、地道に改革を(社員の皆さんにその意味を説きながら)進めていきました。どの商品が今どれだけ出荷されているのか、今月はどれだけ売れたのか、それは前年同月比では多いのか少ないのか…これまで社長の(鋭い)勘でやってきたことを具体的な数値で“見える化”し、それら経営数値を見てどう解釈し、どう事業に活用していくのか、といったことを社員の方々に学んでいただくため、勉強合宿も行いました。ノウハウを伝授し、励まして、出来る限りのことをやって、ついに皆さんのやる気に、心に火をつけることが出来たそうです。

そして、その成果を実感した出来事が起こりました。

ある日の経営会議でのことです。例のごとく社長が「今月は〇〇商品を先月と同じだけ作るぞ」というように発言した時に、メンバーの一人が手を挙げました。

「社長、指標のAとBを見ると〇〇は来月以降の販売が2割ほど落ち込みそうです。他方、Cを見ると△△はここ半年品不足です。こちらを増産しませんか?」

自信を持って、かつ具体的に発言されたのです。その姿を見た渡辺さんは、心が震えたと言います。「この10年で初めてここまで感動した」。そう語る渡辺さんの表情は非常に生き生きとした満面の笑みで、気持ちが溢れ出ていました。それまでも仕事の上で感動したこと、楽しいと思ったことは沢山あったそうですが、それらとは次元が異なる感動であったそうです。

その話を聞いて、私は思いました。この仕事(PE投資)は、大変ではあるけれど、10年間頑張り続けて渡辺さんの立つステージにまで到達すると、心が震えるくらいの感動を味わえる仕事なのだと。

PE投資ファンドにおいてディレクターにまでプロモーションするのは、簡単なことではありません。そもそもファンドに入社するためには、相当タフな業務経験を積み、複数の専門性を習得しなくてはいけませんし、入ってからも大変なことが続きます。その過程であきらめていく人達が多いのも事実です。

でも、あきらめずに、頑張り続けて成長していけば、普通の仕事の何十倍もの、それこそ次元が異なるくらいの感動に出合える可能性があるということを学ばせていただいたお話でした。このような感動こそが、他には代えがたいPE投資という仕事の報酬なのだと思った次第です。

なお、渡辺さんへのインタビューの全貌は弊社サイトにて近日中に公開予定ですので、そちらもどうぞお楽しみに。

最後に、この様な感動を味わえるPE投資プロフェッショナルへのキャリアをご検討されている方は、是非、弊社へご相談下さい。


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