Antelope Summary Report

[Antelope Summary Report No.199 ]2500万円と370万円

2017.08.30

Antelope Summary Report ≪ No.199 ≫

~ Short Report ~

2017年8月30日(水)
アンテロープキャリアコンサルティング株式会社
http://www.antelope.co.jp/

本メールは、弊社サイトにてメールマガジンの配信をご希望された方へお送りしております。

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「2500万円と370万円」 小倉 基弘

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★ 2500万円と370万円
表題の金額は、直近で弊社に登録されている35歳の方々87名の年収の1番高い方と低い方の数字です。データでの共通項は、年齢以外では出身大学が東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、北海道大学、一橋大学、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)という日本ではある程度の学歴と見られている大学および大学院を卒業されていることです。

87名の年収の平均値は962.5万円、日本全体の35歳の平均年収が434.5万円(リクナビNEXTより)ということを考慮すると、2倍以上の数値になっています。これ自体は弊社にご登録されている方々の学歴、業界(金融、コンサルティング)が大きく影響していると思われます。

今回注目したのは、同じような学歴レベルで20代前半に卒業され10年強を経て、年収が2500万円と370万円と6倍近い差が出ているのは何故か、という点です。

例えば、上位5名(年収2500万~1500万円)の方々の特徴は以下の通りです。

学歴は国立大学院工学系3名、国立大学院法学系1名、私立大学学部卒1名

英語力については帰国子女1名、TOEIC990点1名、915点1名、特に資格はないが英語を日常職務で使用している方が2名、全員クロスボーダーの職務についています。

現職は外資系投資ファンド、MA弁護士、外資系投資銀行、外資系資産運用会社、外資系戦略コンサルティングファームになっており、全員プロフェッショナルファームのフロントポジションで、うち4名は外資系です。

職歴は
大学院→日系資産運用会社→(29歳)外資系投資銀行→(33歳)外資系投資ファンド
大学院→MA弁護士事務所(転職経験なし)
大学院→日系証券会社→(28歳)外資系投資銀行
大学院→日系資産運用会社→(31歳)外資系資産運用会社
大学→日系広告代理店→(33歳)外資系戦略コンサルティングファーム

一方、下位5名(年収500万~370万円)の特徴は以下の通りです。

学歴としては私立大学学部卒3名、国立大学院卒1名、私立大学院卒1名

英語についてはTOEIC945点の方1名、他の4名は自己申告になりますが日常会話レベルで業務で英語は使用していませんでした。

職歴は日系製造業3名、日系小売業1名、公務員1名となっており、3名の方が転職自体を経験されていません。

職歴は
大学→日系食品メーカー→(30歳)日系化学系製造業
大学→日系金融機関→(29歳)日系総合電機メーカー
大学→日系小売業(転職経験なし)
大学院→公務員(転職経験なし)
大学院→日系総合電機メーカー(転職経験なし)


単純には推察できないかもしれませんが、一般的にも年収水準が高いと認知されている外資系金融、特に投資銀行、投資ファンド、資産運用会社に入るか、もしくは弁護士資格を取得し、民事系ではなく企業法務、特にM&Aを扱う弁護士事務所に所属することが年収を押し上げている、ということです。もう少し細かくみると、各人は組織に所属はしていますがジェネラリストではなくプロフェッショナル(高い専門性を持った人材)であることが分かります。

これらのプロフェッショナルになるためには、一定の学歴とビジネスで使用できるレベルの英語力、更には会計または法務等の専門知識・スキルを既に取得していることが必要です。

また、上位の5名中4名は当初は日系金融機関、事業会社に入り30歳前後で外資系に転じている、という点も注目すべきことかもしれません。新卒から3~5年程度、基礎的なビジネス経験を積んだのちにキャリアをステップアップさせるタイミングも重要です。1、2年では早すぎるし30代半ばになってしまうと遅いのです。レバレッジが効くタイミングを掴むことも大事になります。

上記のように年収面を軸としてキャリアデザインを考えた場合も、当初から俯瞰的な情報を持って計画的にスキル、資格取得、職業選択を行っていく必要があります。

人の価値観は仕事において、収入、やりがい、興味、ワークライフバランス等のどこを重視するか様々です。社会人としての人生を開始する時点で、多くの人はいろいろな夢、目標を描いていたと思います。10年、20年経って偶然、目標がある程度叶えられたのであればそれは幸運な事でしょう。でも、もし収入面に重きを置いていた人が35歳になった時点で「こんなはずではなかった」と後悔するのであれば、それは残念なことです。

長期的なキャリアデザインには早い段階での情報収集、プランニングが必須なのです。

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