Antelope Summary Report

[Antelope Summary Report No.206 ]PEファンド後のキャリア

2018.03.28

Antelope Summary Report ≪ No.206≫

~ Short Report ~

2018年3月28日(水)
アンテロープキャリアコンサルティング株式会社

本メールは、弊社サイトにてメールマガジンの配信をご希望された方へお送りしております。

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「PEファンド後のキャリア」 加藤 浩

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★ PEファンド後のキャリア
これまで数多くのPEファンドを目指す方々にお会いし、その方々のPEファンドへの転職をサポートしてきました。そのような中「PEファンドの後のキャリアってどうなるのか?」という相談をいただくことが多いので、ここで最新の状況も踏まえてまとめておければと思います。

結論から申しますと、
「他のPE(特に立ち上げフェーズの)ファンドへ行く」
「大手事業会社の経営企画(投資・M&A)部門へ転職する」
「ベンチャー~中堅企業のマネジメント(CFO他)へ転職する」
「投資先であった事業会社へそのままマネジメントとして転籍する」
「(ある程度の資金もあり)まったく新しいビジネスを立ち上げる」
「(比較的若い方だと)コンサル・投資銀行などに戻る」 など。

要は、本当に様々です。PEファンドの仕事はよく総合格闘技なんて言われますが、ビジネス、ファイナンス、法律など経営に関わるあらゆることに精通していなければできない仕事なので、キャリアの選択肢が広いわけです。

一方で意外と少ないのが、日系PEのアソシエイトとして2~3年経験して外資PEへ転職するというパターンです。コンサルや投資銀行の世界だと「日系IBDから多少ディスカウントされても(よりレベルの高い・より年収の高い)外資IBDへ」というパターンがあるのですが、PEの世界では“日系<外資”という感覚はそこまでないです。むしろ外資PEにいた優秀な人材が、より自由度のある日系PEに転職するというパターンもあるくらいです。

結局、例えばとあるファンドの「2号ファンド立ち上げ時に入社した」とすれば、その2号ファンドの運営期間の最後までいないと良い経験もできないし、キャリードインタレスト(運用報酬)ももらえなかったりするので、PEファンドを転々とするということにあまり意味がないわけです。ただ、その2号ファンドの運用を終えたタイミング(3号ファンドへ移っていくタイミング)などで、他PEへ転職するという方はよくいらっしゃいます。この時も大手ファンドにいた方が独立系ファンドへ移る、立ち上げファンドのディレクターとして移る、というパターンの方が多いです。

もしかすると、よりファンドサイズの大きい、いわゆる大手にキャリアをシフトしていく方がいいキャリアなのでは、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現実にファンドにいる方々からすると、より自由度があって、投資理念も合って、キャリー分配も多くて、というファンドに魅力を感じたりするものなのです。

ところで、少しずつですが意外と増えているのが、上記にもあるように事業会社への転職です。日本のいわゆる歴史のある大企業などへ転身する例も増えてきました。無論、給与水準は下がってしまったりはするのですが、皆さん様々な考えや使命感を持って転職されています。

逆に言うと、日本の大手老舗企業が例えば30代後半のPEファンド出身者を採用するような時代になったわけです。それだけファンド出身者の実力が認知されてきたということです。

PEファンド業界は、そうはいっても日本ではまだ歴史の浅い業界ですが、今後は転職市場での認知も更に上がり、さまざまなフィールドで「ポストPE人材」が益々活躍していくと思います。