Antelope Summary Report

[Antelope Summary Report No.212 ]未来を創造する君たちへ

2018.08.30

Antelope Summary Report Vol.212

~ Short Report ~

2018年8月30日(木)
アンテロープキャリアコンサルティング株式会社
https://www.antelope.co.jp/

本メールは、弊社サイトにてメールマガジンの配信をご希望された方へお送りしております。

………………………………………………………………………

■ INDEX ■

「未来を創造する君たちへ」 小倉基弘

………………………………………………………………………

1986年。大学4年の5月、体育会硬式庭球部のリーグ戦も終わり、そろそろ就職活動を開始する時期で、私の周りにもリクルートスーツに身を包んだ友人がチラホラ目につくようになってきました。

「このところ景気は良いらしいし、金融、特に証券会社はボーナスも沢山出ていると新聞にも載っていた。仕事も体力勝負だっていうことだから、体育会出身の私にはぴったりかな」というおおざっぱな発想で、就職活動解禁日の初日に訪問したのは野村證券。面接後にそのまま食事に行こうと採用関連の方々に誘われ、ランチを食べた後、「午後は他の企業(大和證券でアポを入れていた)へ行きますので、この辺で失礼します」と言うと「何言ってんの、この後夕飯も食べるんだよ」と言われました。結局、いわゆる「拘束」をされて、そのまま大和證券はキャンセル。2日目に日興證券、山一證券と廻って、あっという間に内定をいただき、体育会の先輩の引きが強かった日興證券に入社を決めました。

当時はこんな就職活動が一般的だったと思います。もしかしたら、今でもこういった活動をしている学生の方々もいるのかもしれません(エントリーシート記入や面接対策サイトはなかったですが)。

志向性は人それぞれなので、どういった分野に興味を持つかはその人の価値観によりますが、おおよその方向性が決まった後で、表面的な情報(日常生活で耳にするもの、サイトに掲載されているもの、人事部から発信されるもの)のみで活動をしてしまうと、後々こんなはずではなかったと後悔することになる可能性は高いかもしれません。

詳細ではなくても、事前に

・自分が行こうとしている業界のキャリアパスの情報
・理想とする立場(ポジション)に就いている人物の経歴
・将来プロモーション(昇進/ステップアップ)に必要なスキル、もしくはあれば有利になる資格
・プロモーションした場合の給与情報

がわかっているだけで、日々働く上で長期的な目標を持ち、モチベーションを維持することができると思います。

例えば、証券会社で法人向けビジネス、M&A業務を経験してその後に投資ビジネスをやってみたい、と考えているならば、入口としてどの職種に就かなければいけないのか、反対にどの職種で入社してしまうと可能性が低くなるのか(同じ投資銀行業務でもキャピタルマーケット、IPO経験は投資ビジネスのキャリアに結びつく可能性は低い)。KKR、カーライル等のシニア人材の経歴は、どのようなものか。その職務で評価されるスキルは英語、USCPA、証券アナリストなど何があるのか。タイトルが上がった場合は、どのような年収レンジになるのか。外資系ではどうなのか。

こういったことが把握できているだけでも、事前の準備、活動内容は変わってくるでしょう。これは学生に限らず、20代から30代前半の、まだポテンシャルを考慮してもらえるような世代にも当てはまります。

弊社では、4年程前からインターン生を受け入れています。他社とは違い、向上心を持った学生が弊社で働くことによって、私たちのクライアントである企業の情報など、OB訪問程度では把握できないリアルな詳細情報を得たうえで、本格的な就職活動に活かしてもらいたい、という目的でインターン制度を実施しています。

エッジの効いた学生は2年生、3年生位の時に私たちのサイトを見つけてインターンの申し込みをしてきます。そしてアンテロープのクライアントである投資銀行、PE、VC、不動産ファンド、コンサルティングファーム、近年ではスタートアップ企業の生の情報を習得して就活に入っていきます。

社会人としてのキャリアは、約40年から50年は続くでしょう。もちろん社会に出てから徐々にキャリアデザインを行うことも十分可能ですが、何の情報も持たず、もしくは日常生活で得られる程度の情報しか持たず丸腰で社会という戦場に出て行くより、情報という貴重な武器を携えてスタートダッシュすることで、想像以上に大きな果実が得られることもあるのです。わかりやすい数字に置き換えると、この情報格差によって30代での年収差が10倍になってしまうこともあります。

これからの社会を創造していく、学生を含めた30代前半までの若手の方々は、メディアや人事部門が発信する情報だけではなく、現場の真の情報を集めてキャリアをデザインしていくことが大切です。