Antelope Summary Report

[Antelope Summary Report No.225 ]コンサルティング業界 新年度の採用傾向

2019.07.31

Antelope Summary Report ≪ No.225 ≫

2019年7月31日(水)
アンテロープキャリアコンサルティング株式会社
https://www.antelope.co.jp/

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「コンサルティング業界 新年度の採用傾向」 佐藤史子

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6月7月は、財務系を中心に多くのファームが会計年度の切り替わりを迎えます。この1年間、コンサルティング業界は企業のデジタライゼーションや新規投資に伴う支援ニーズの拡大を捉えて、引き続き成長局面に乗っていて、業績も好調。多くのファームが前年比2桁成長を達成し、次のステージに向け体制を強化して成長にドライブをかけたいというところです。

拡大する受注ニーズに対応するため、採用活動も当然、熱が入ります。大手ファーム各社の新年度の採用目標を伺っていると、採用総数は概ね昨年と同等か、若干ストレッチした目標を掲げており、コンサルティング業界で転職活動をされる皆さんにとっては、引き続きチャンスの多い1年となりそうです。

ただ、採用の数ではなく中身を見ていくと、若干の変化が見られます。ボリュームゾーンとなるのはスタッフクラス(コンサルタントやアソシエイトクラス)よりは、マネージャークラスか、その一歩手前ぐらいの年次の方。完全な未経験の方よりは、多少なりともコンサルティング業界やプロジェクトで即発揮できる知識や経験のある方、という具合に、求めるスキルセットがより経験重視になってきていると言えます。

プロジェクトの受注に対応するために、とにかくアサインできるスタッフを確保したい、育成前提でポテンシャルのある若手を採用して人材不足を乗り切りたいという局面から一歩進み、未経験の若手の採用は一巡したので、これからは経験者に近い領域により注力して採用していきたいと考えるファームが多くなっている、ということでしょう。ただ、一概に経験者と言っても、同じ領域・同じテーマのコンサルティング経験者を求めているところはまだ少なく「プロジェクトワークを経験していて、コンサルティングの進め方が判っている方」「現場でクライアントのマネジメントが出来る方」といった、基本的なコンサルティングのスキル、作法を心得ている方が欲しいという意味合いが強いようです。

ですので、コンサルティングの実務を経験していて、ご自身の経験をよりストレッチさせたい、もっと対応できる領域を広げてクライアントへの貢献の幅を広げたいと考えている現役コンサルタントの方にとっては、非常にチャンスの多い環境です。例えばPMIなど、クライアントサイドでも多くの部署が関連して取り組むような案件では、コンサルティングファーム側でも必要となる業務知見の幅が広く、広範なプロジェクト経験者を求めています。ご経験を活かしてうまく転職活動を進め、前職から年収水準を大きく上げてオファーを得られる方もお見かけします。

もちろん、経験者採用に留まらず、新たなチームの立ち上げや、オファリングの形成に伴って、これからコンサルティング業界を目指す優秀な方を求めているファームもまだ多くあります。最近では、例えばデザイン思考など、これまでのコンサルティングとは視点や発想の起点を変えた新しいオファリングを開発・提供し、従来のファームの候補者とは異質な経験を必要としているチームが散見されることも新しい動きの一つです。

こうした細かな動きは外からは見えにくいため、情報を持っている私たちのようなエージェントをうまく活用し、ご自身のキャリアの幅を広げること、充実したキャリアライフに役立てていただきたいと思います。コンサルティングファームで新しいチャレンジを考えていらっしゃる方、このコラムを読んで、ご興味持っていただいた方は、お気兼ねなくご相談ください。