スタートアップに転職すると年収はどうなる?
転職を考えるうえで、避けて通れないのは年収の問題です。ある記事によると「創業10年未満の企業に転職した人の平均年収は720万円超、上場企業の平均より100万円多い」(日本経済新聞、2019年3月20日付)そうですが、一方で金融機関やコンサルティングファームに在籍されている方の年収は30歳前後で1000万円を超えている場合が多く、スタートアップへの転職は年収ダウンの可能性が高くなってしまいます。ここでは、スタートアップの給与水準は具体的にどうなっているのかを解説していきたいと思います。
転職を成功させるためには、ベンチャー/スタートアップ業界に関する事前研究を欠かすことは出来ません。特に現場で活躍されている方のリアルな声は、業界を知るのに有効でしょう。以下では注目企業のキーパーソンへのインタビューや業界情報などのコンテンツをまとめていますので、ぜひご覧ください。
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スタートアップの年収について
優秀な人材を獲得したいという思いは、スタートアップでも大企業でも同じです。むしろシード~シリーズAの場合、参画する人のパフォーマンスで会社の成長スピード、角度ががらっと変わるため、スタートアップほどそのニーズは強いかもしれません。ベンチャーキャピタルなどから調達した資金の多くを、採用活動に割いているのも事実です。しかし、赤字が続いている状態で金融やコンサル出身者に現職と同水準の給与額を提示するのはキャッシュフロー上も難しいため、その調整方法としてストックオプションを活用するケースが多くなっています。
具体的な年収レンジについては、各企業によって大きく違いはありますが、平均するとシリーズAのCxOで800万~1000万円程度が中央値になると思います(高い提示でも1200万円程度)。現職の水準とのギャップが非常に大きいため、面接を通じて候補者、企業ともに相思相愛になっていても、最終的に年収条件だけが折り合わず入社に至らないケースもよくあります。また「嫁ブロック」という言葉もあるように、ご家族がいらっしゃる方であれば本人の一存だけでは決められないこともあるため、おのずと慎重な判断が必要になってきます。
ストックオプション(SO)について
自社株を一定の行使価格で購入できる権利を指すストックオプションですが、最近だと信託型SOや、事前にリードVCと「採用や社内で貢献してくれた方のために合計で全株式数の10%分SOを発行する」契約を結ぶなど、様々なパターンを用意しているスタートアップが増えています。個人にどのくらいSOが付与されるのかについては、大まかに言って多くて1%程度、通常0.2~0.5%程度が相場であり、10%とか20%といったまとまった株数の付与はないのが実情です。それでも、1%とは言っても、将来的に会社の時価総額が100億円になれば1億円、時価総額1000億円以上のユニコーンになれば10億円の価値ということになります(途中で希薄化がなければ)。自分の仕事が会社の成長を大きく左右し、そこに経済的なリターンも紐づいてくる環境というのは、チャレンジ精神をお持ちの方にとっては非常に魅力的ではないでしょうか。
最後に
スタートアップ転職時の年収条件ついては、現職で高待遇を得ている方々にはとても悩ましい問題です。同時に、スタートアップ側の「もっと高い額を提示したいのに」という悩みも深まっています。実際にスタートアップへの転職に踏み切った方に伺うと「自分が入社し、会社を大きくグロースさせる。年収は後からついてくる」という志向をお持ちの場合がほとんどです。彼らのように、目先の年収ではなく、その転職で生涯収入がプラスになるかどうか、という視点から考えてみるというのは、ひとつのヒントになるかもしれません。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。ハイクラス人材の転職に役立つ情報を発信しています。 |