ハイスペック人材はなぜスタートアップに転職するのか?
投資銀行や戦略系コンサルティングファームなどのバックグラウンドを持つ、いわゆるハイスペックな人材がスタートアップに転職するケースが珍しくなくなっています。ここではそうした流れが生まれた背景や、想定されるメリットなどについて解説いたします。
スタートアップへの転職が当たり前に
日経新聞の「外資系金融出身、刺激を求めて スタートアップへ転職続々」という記事では、2018年4月に上場したHEROZへ転職した浅原大輔CFOや、マネーフォワードへ転職した金坂直哉氏(ともにゴールドマンサックス証券出身)の例を挙げ、外資系投資銀行の人材がスタートアップに移るトレンドが示されていました。これらの事例ではいずれの方も、会社の組織体制が整っておらず、社員がまだ数名の状況でもリスクを取ってベンチャー企業にジョインされています。
また、戦略系コンサルティングファーム出身者がベンチャーを立ち上げるようなケースも増えています。例えば、マッキンゼー出身の柴山和久氏が創業した「ウェルスナビ」や、A.T. カーニー出身の松本恭攝氏が立ち上げた「ラクスル」など、有望なスタートアップが続出しています。
テクノロジーの発展により新サービスの開発提供が容易になった
なぜここ数年になって、投資銀行やPE、コンサルティングファームに在籍していたような優秀な人材が、このようなチャレンジングなキャリアを選択することが増えてきたのでしょうか。その背景として、近年のテクノロジーの急速な発達が考えられます。そうしたニューテクノロジーは、今までにない新しいサービスの開発、提供を圧倒的に安価に、そしてスピーディにしました。そこから潜在的にあったニーズも掘り起こされてくるため、ゼロから新しい価値を作ることができる環境が整ってきています。具体的には、各種マッチングプラットフォーム、ブロックチェーン技術からFintech、AI、ディープラーニング、IoTなどを駆使した様々な新サービスです。
彼らは、かつての起業家像のように裸一貫でがむしゃらにのし上がってきたという成り上がり系オーナーではなく、高学歴でスキルフルな人材であり、高度な金融工学やコンサルファーム/MBAで学んだマネジメントスキルを駆使してスタートアップの成長にコミットしています。さらに、その周辺には同じようなバックグラウンドの人材が、続々と集まってきています。
既存の有名企業からスタートアップに移ることのメリット
エスタブリッシュな大企業ではなくスタートアップで働くことの醍醐味は、当初は小さいながらも組織の中で自分自身が責任を持って意思決定できること、そして自身が提案、実行したことがそのまま組織の浮沈に反映されるということです。さらに、ビジネスがうまく回りはじめれば、売上の増大、社員数の拡大という、目に見える成長を実感できます。株式、ストックオプションを保有していれば、金銭的なアップサイドも得られるでしょう。
そのようなスタートアップの環境と比較すると、例えば投資銀行では資金調達やM&Aの案件をリードしても最終的な決定権はクライアント側にあります。一方、コンサルティングファームの場合は、プロジェクト終了後に自分達のアドバイザリーの効果を中長期でトラッキングしていくことはあまりなく、その点にストレスを感じる方も多いようです。以上のような状況を踏まえれば、投資銀行、PE、コンサルティングファームからスタートアップへ、という人材の流れは今後も加速していくものと考えられます。
最後に
弊社とお付き合いのあるスタートアップからの採用ニーズとして、具体的には以下のような方が挙げられます。
●マネジメント層、経営企画の人材として高度な専門知識や交渉力、資金調達や組織作りの経験を持った方
●今後の会社の方向性や中期経営計画の策定に参画し、一緒に組織づくりをしてくれるチームワーカー
●投資銀行、PE、コンサルティングファームでの年収を基準に考えず、やりがいと将来の成功報酬に期待するベンチャースピリッツを持っている方
一度しかない人生において、新しい産業を創造し世の中を変えていきたいという気概を持った方は、ぜひこうしたキャリア展開も参考になさってください。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。ハイクラス人材の転職に役立つ情報を発信しています。 |