不動産ファンド業界の転職支援に携わるようになって約10年になります。
その間、キャリアミーティングで「業界について勉強したいのですが、お薦めの本はありませんか」と聞かれることが度々ありました。
専門書は数多くありますが、まだ業界に馴染みのない方が読むには、少し難しく感じるものもあります。
学生の方や異業界から転職を考えている方にも、不動産ファンドの全体像やそこで働く人の仕事をイメージしていただける本があれば。
そんな思いを持っていた中で、今回『不動産ファンドビジネスの世界』の共同執筆に携わる機会をいただきました。
不動産ファンドというと、大きなビルやホテルを買うニュースが目に留まりますが、その裏側で誰が何をしているのかは、意外と見えにくいものです。
投資家から資金を集める人、物件を探して取得する人、取得後の収益改善を進める人、会計や法務の面から運用を支える人。さまざまな役割がつながって、一つの投資が成り立っています。
本書では、業界の成り立ちやREITと私募ファンドの違い、住宅やホテル、物流施設などの特徴を紹介しながら、物件の取得から運用、売却まで、実際にどのような仕事が行われているのかをまとめています。
まず業界を俯瞰して理解したい方にも、気になる職種の仕事内容をもう少し詳しく知りたい方にも読んでいただける一冊です。
私自身が執筆に携わる中で意識したのは、普段のキャリアミーティングや面接前のご相談でお伝えしている「先に理解しておくと、その後の話が分かりやすくなること」です。
例えば、同じ「アセットマネジャー」という求人でも、会社によって担当範囲は異なります。
取得後の期中運用が中心の会社もあれば、取得時のクロージングから運用、売却まで関わる会社もあります。
また、安定した賃料収入を重視するファンドと、改修や運営の見直しによって価値を高めるファンドでは、求められる経験や仕事の進め方も変わってきます。
こうした違いが分かると、求人票を見る際にも「自分はこの会社で何を経験できるのか」「これまでの経験のどこが活かせるのか」を考えやすくなります。
面接でも、業界への漠然とした関心から一歩進んで、なぜその会社で、その仕事に取り組みたいのかを、自分の言葉で説明しやすくなると思います。
これから業界を目指す学生や若手社会人の方はもちろん、不動産仲介やPM、金融機関などで経験を積み、次のキャリアとして不動産ファンドを考えている方にも読んでいただければ嬉しく存じます。
すでに業界で働いている方にも、ご自身の仕事と他の職種とのつながりを整理する機会になればと思っています。
今回、共同執筆者である小倉代表、同僚の岡田とともに本づくりに携われたことを、大変ありがたく感じています。
私にとっても、これまでお付き合いをいただいた皆様から教わったことを振り返り、言葉にする貴重な機会となりました。
不動産ファンドという少し外から見えにくい世界を知り、ご自身のキャリアを考える際の手がかりとして、本書がお役に立てば幸いです。
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- 【経歴】
成蹊大学法学部卒。地域金融機関にて法人や個人顧客を担当。与信業務・受信業務を通じて10年にわたり地域の発展に寄与。その後、大手邦銀にて10年間、住宅ローンコンサルタントとして個人顧客ならびに業者向けセールスを行う。20年以上に渡り顧客に金融商品を提供しながら信頼関係の構築に注力してきた経験を、人財というもっとも重要なリソースをクライアントに提供することに注ぐべくアンテロープに参画。
【担当領域/実績】
銀行の金融市場部門、資産運用会社(アセットマネジメント)、不動産金融領域を中心に担当。金融業界でのキャリアをベースとしたネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。
NIKKEI HR AGENT AWARDS 2019金融部門 受賞
【著書】
『不動産ファンドビジネス』(クロスメディア・パブリッシング/2026年9月刊、小倉基弘・岡田真奈との共著)

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