大手総合系コンサルティングファームのコンサルタントから、欧州系商業銀行のクレジットアナリストへ転職されたS・Cさん(30代)のご経歴や活動内容をご紹介いたします。アンテロープをお選びいただいた理由やご本人からのメッセージも、あわせてご紹介いたします。
S・Cさんは幼いころから家族と海外で生活してきた国際派。小学校高学年からはアメリカで暮らし、現地の大学に進学されました。卒業後は金融業界への就職を考えていましたが、折悪くサブプライム問題が発生し金融機関の採用活動はほとんど停止。そこで日本語と英語の能力を生かそうと、日系の貿易会社に入社します。営業としてアジアンフードの販売を担当、支店立ち上げにも尽力するなど仕事は順調でしたが、金融市場が落ち着きを取り戻し採用活動が復活してきたところで、元々の希望であった金融機関へのジョブチェンジに挑戦。米系大手銀行への入社が決まり、企業融資審査部でクレジットアナリストとして働き始めます。すぐにアンダーライターに昇格し実績を積み上げていきましたが、2年ほど経ったところで日本での就業を考えるようになり、大手総合系ファームの金融サービス部門に転職して帰国することを決意。コンサルタントとして証券会社の業務改善プロジェクトなどを手掛ける中で、再度金融業界に戻りたいと考えるようになり、2年ほど経ったところで友人からのご紹介でアンテロープにご登録いただきました。
S・Cさんはすでに金融での業務経験がある方でしたし、その経験の延長線上のキャリアをご希望でしたので、合致するポジションさえ出てくれば比較的スムーズな転職活動になるのではないかと考えていました。帰国子女ということで英語もフルーエントでしたので、ちょうどオープンになった欧州系の大手銀行のクレジットアナリストの案件などをご案内しました。
コンサルタントの予想通り、順調に面接をクリアしていったS・Cさんですが、新卒の時と同様、ここでも外部環境が影を落とします。イギリスのEU離脱、いわゆるブレグジット騒動の影響で、採用が凍結となり最終面接目前でポジション自体がなくなってしまったのです。
4カ月くらい、結論が出ずに宙ぶらりんな状況が続いていました。その間に他のエージェントから紹介があったポジションを受けてオファーもいただいていたのですが、やはり自分の希望とは微妙にずれている部分があり、もう少し待ってみようという気持ちでいました。すぐに前職を辞めなければいけなかった、というわけではなかったので気持ちの余裕があったのは良かったです。
我々にとっても非常にレアなケースでした。ただ、先方の人事担当者も部門担当者も「募集が再開されれば、S・Cさんの採用を最優先に考えています。時期は明示できませんが、S・Cさんにお待ちいただけるのであればすぐに次のステップにお進みいただきます」ということを明確に伝えてくださっていたので、ここは別のポジションをご紹介するのではなく、状況が変わるのを待った方がいいと判断しました。企業側と定期的にコンタクトを取り続けた結果、数カ月後にいったんフリーズしていた採用が再開されたと聞いた時は、ほっと胸をなでおろしました。
再開された選考プロセスも問題なくクリアし、S・Cさんは見事にご希望のクレジットアナリストとして転職されました。その時の部門担当者の方が今の上司となって隣の席に座られているということですが、非常に気さくな方でチームの雰囲気も良く、充実した日々を過ごしているとのこと。
2年ほど勤めると異動の希望が出せるという人事制度があるのですが、今の仕事内容を気に入っていますし、働く時間についても自分の裁量に任されていて自由度の高い部署なので、少なくとも5年くらいはこのまま頑張っていこうと思っています。
クレジットアナリストは、経験を積めば積むほど分析の精度が高くなる、長期的なスパンで考えられるキャリアです。まずは目の前の仕事に打ち込んで知識を蓄えていけば、いずれカバレッジなどフロントに興味が出てきてもチャンスは豊富だと思われます。
私のケースでは今回で4社目となりましたし、年齢的にもある程度、特定の業界で長期的にキャリアを積み上げていきたという思いが転職活動当初からありました。転職活動は体力・精神面でも労力を要しますので、鈴木さんには率直に自分の立ち位置を伝え、期待と入社してからの実態にギャップが極力発生しないよう互いにフィードバックを心掛けていました。
転職活動中は早く転職したいという気持ちが先走ってしまうケースがあります(自分も今回の転職先を諦めかけていた時期もありました)。また転職活動自体、自身が思っていた以上に長期戦になる割合が高いと思います。タイミングは自ずと訪れると思いますので、妥協せずに最適なポジションをエージェントと探し求めるのが転職前も転職後もスムーズにいくと今回改めて感じました。
この事例を担当したのは、
弊社コンサルタントの鈴木勝則です
中央大学理工学部卒。シティバンク、エヌ・エイにて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。20年以上に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参画。
【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。
コンサルタントの仕事は楽しく、元同僚とは今でも連絡を取っていますが、より金融で専門性を高めたいとの思いがありました。もともとアメリカで中小企業への融資審査を担当していたので、日本でより大きな企業を対象に同様のアナリスト業務が出来るオポチュニティがないか、気長に転職活動を続けるつもりでいました。いくつかのエージェントに登録してみましたが、見当違いのポジションを紹介してくるような会社もある中で、鈴木さんにはピンポイントで希望にあった案件を提案いただけたので信頼度は高かったですね。