大きな変動が続いている公認会計士の就労環境
新試験制度の導入による大量合格と大量採用、直後に起きたリーマンショックとそのあおりを受けた試験合格者の就職難、大手監査法人による業界初のリストラ…と、近年は公認会計士をめぐる就労環境が大きく変動しました。最近の弊社での紹介実績を踏まえて、公認会計士の転職マーケットがどんな状況にあるかを俯瞰してみます。
公認会計士のキャリアパスは非常に広がりがありますが、その中でも弊社がサポート出来る典型的な転職先としては、
1)Big4系および独立系のFAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)
2)再生系コンサルティングファーム
3)事業法人の財務部門
4)投資銀行/投資ファンド
といったものがあります。
公認会計士の典型的な4つのキャリアパス
1)Big4系および独立系のFAS
監査法人に勤める会計士の次のキャリアとして真っ先に挙がるのが、Big4系および独立系FASです。日本企業の旺盛なM&Aニーズなどを背景に、積極的な採用活動が続いています。FASの内部にはデューデリジェンス、M&Aアドバイザリー、リスクマネジメントなど様々なチームが存在しますが、特に財務デューデリジェンスは監査と共通する部分が多いため、30歳前後までであれば監査経験のみでも採用される可能性が出てきており、転職後も比較的スムーズに業務に取り組むことが出来ます。一方、M&Aに関連する業務に就きたい場合は、クロスボーダー案件に対応出来るだけの英語力が必要になります。応募時点では、実際にビジネスで英語を使ったことがなくてもTOEICなどの指標で一定のレベルをクリアしていれば問題ありませんが、入社後に評価されるには早期のキャッチアップが必要です。
2)再生系コンサルティングファーム
経営共創基盤、リヴァンプ、山田ビジネスコンサルティングなど、経営状態に問題を抱える企業を支援し再生へと導くコンサルティングファームも、公認会計士の知見を活かすことの出来るフィールドです。また大手FASの内部にも、リストラクチャリング部門といった形で同様の機能を果たす部署が存在します。こうしたファームでは戦略策定やマーケティングといった財務面以外の経験を幅広く積めるため、将来の経営マネジメントを目指す会計士には魅力的な転職先となっています。しかし、地方への頻繁な出張や常駐、危機的状況にあるクライアント企業内の刺々しい空気、未経験職種ゆえの採用時の給与水準ダウンなど、総じてシビアかつタフな職務環境であることは間違いありません。その厳しさに耐えうるだけの志があるかどうか、しっかりと省察することが必要になります。
3)事業法人の財務部門
大手公開企業やIPOを目指す成長ベンチャーの財務部門で予算策定や実績分析、決算業務等を手掛けるポジションは、会計士資格を持つ方の採用に積極的です。近年、こうした企業は海外現地法人を擁しているケースが多く、連結決算業務やアニュアルレポートの作成などの作業のためには英語力が必要になります。またM&Aの隆盛にともない、内部に専門スタッフを抱える事業会社も増えています。プレM&A戦略やエグゼキューションに関わった経験をお持ちの会計士であれば、そうしたポジションでの採用機会があります。
4)投資銀行/投資ファンド
2006年前後の好況期には「監査経験のみの若手会計士(それなりの英語力)」というプロフィールで投資銀行への転職を成功させた事例もありましたが、リーマンショック後にはそうした採用は一切なくなりました。アベノミクスにより景気が上昇局面に入ったことで求人自体は少しずつ増えてきておりますが、一度上がった選考ハードルはなかなか戻らないというのが実情です。上位数パーセントに入る学歴、監査経験、高度な英語力に加え、何らかのアドバイザリー業務の経験があってようやく応募のスタートラインに立てる、というイメージで遠くないかもしれません。特に投資ファンドの場合は監査経験のみで採用される可能性はほぼないため、別のフィールドでファイナンスや経営全般についての知見を深めてからアプライする必要があります。
公認会計士の攻めのキャリア構築をサポート
以前と比べ、最近は若手会計士が安定志向になりキャリア構築においてリスクを取らなくなったという論調もありますが、弊社には「将来的に、事業会社のCFOを目指している」、「PEファンドで企業再生に携わりたい」というように攻めの姿勢でキャリアのご相談にみえる会計士がたくさんいらっしゃいます。我こそは、という気概をお持ちの方はぜひ一度弊社に話を聞きにいらしてください。さまざまなキャリアパスを見てきたキャリアコンサルタントが、最新のマーケット情報を準備してお待ちしております。
公認会計士向けの転職
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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