中途採用組コンサルタントならではの強みと苦労
コンサルティング業界、特に外資系ファームは、言うまでもなく中途入社の比率が非常に高いです。大手の外資系コンサルティングファームの場合は、全社の6~7割が中途入社。プロジェクトベースで動くので部署や同期のつながりといった人間関係が固定化されにくく、各々が自分の能力を武器に社内でのキャリアを切り開くプロフェッショナル集団であるため、中途採用であることがまったく不利にならない業界のひとつです。
中途で入社した方がコンサルタントとして活躍していくための武器は、大きく2つ。ひとつはなんと言っても、机上の論理だけでないビジネスの現場を知っていること。もうひとつは社内でのネットワーク構築力です。
現場を知っていることで高品質なコンサルティングが可能に
理屈だけでは動かない泥臭く理不尽なビジネスの現場を見てきた経験が、クライアントの言葉にならない思いを理解することにつながります。また市場のニーズをよりリアルに理解できることで、プロジェクトの中で質の高い仮説を構築できるようになります。当然、クライアントからは信頼され、頼られるようになり、社内でのその方のプレゼンスも高まる訳です。実際、ファームによってはパートナーのほとんどが中途入社のコンサルタントで占められていることもあるのですが、ひとつにはこのように「現場をリアルに体験していること」がレバレッジになっていると言われています。
円滑な人間関係づくりに一日の長
利害関係の異なる複数の部門や上席の方を社内調整したり、情報や協力を得て物事を進めるということを、新卒組コンサルタントの多くは意外と経験していません。特に戦略コンサルタントの場合は、少数のメンバーでプロジェクトチームを組み、仕事が完結するため、そのような場面が少ないのです。コンサルティングファームでは、自分が知見を持っていない分野のインプットを別のコンサルタントからもらったり、円滑な人間関係を構築することで仕事が進めやすくなるのですが、バランス感覚やコミュニケーション能力が求められるこうした場面において、やはり中途組の方は鍛えられていると言えるでしょう。
「年下の上司」と「優秀すぎる部下」
他方、当然ながら入社直後は中途ならではの苦労があります。よく言われることは「年下の上司」「優秀すぎる部下」です。新卒で入社したコンサルタントで優秀な方は、30歳前後でマネージャーになります。ですので中途採用された年齢によっては、上司と年齢が逆転していることが珍しくありません。また、若いうちからコンサルティングファーム独特の頭の使い方や資料の作り方を学び、鍛えられてきた優秀な部下や後輩から時に手厳しい指摘を受けて自信喪失気味になる場面は、中途組ならば誰もが経験しています。しかし、これらは一時的なこと。上記で述べた自分の強みを発揮しつつ、コンサルタントとしての仕事の進め方や考え方を学んでいくうちに、早い方であれば1~2年でキャッチアップして、ご活躍されています。
大切なのは柔軟性と主体性
コンサルティング業界に入るにあたり中途と新卒、どちらが有利不利、ということはもちろんありません。仕事の仕方が独特な業界であることは間違いないので、中途で入社するみなさんはキャッチアップするよう努力をすることもさることながら、柔軟性と主体性をもって周りから学び、ご自身が提供できる強みを見つけてそれを最大限に発揮することが、成功につながるように思います。
監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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