コンサルタントなら誰でも持っているスキル?
ご存じのとおり、コンサルタントを名乗るために必須の資格はありません。しかし、長く業界の方々と接していると、どなたにも共通してみられるいくつかの特徴的なソフトスキルが浮かび上がってきます。ここでは、コンサルタントに転職する際にも求められるこれらのスキルについて紹介します。
コミュニケーション能力
コンサルタントに求められるスキルの中でも、もっとも重要なもののひとつが「コミュニケーション能力」です。ただし、一言でコミュニケーション能力といっても、人によってイメージするものは異なるのではないでしょうか。
- 初対面の人とも緊張することなく話せる
- 豊富な話題で会話を途切れさせない
- アイコンタクトや身振りなどで相手に好印象を与えられる
- 苦手なタイプの人とも交流ができる
- 自分の意見をしっかりと伝えられる
これらも確かにコミュニケーション能力といえますが、コンサルタントとして特に必要になってくるのは「会話の中から相手の意見・意図・要望を正確にくみ取れる」ということだと思われます。初対面のクライアントと緊張せずに話せる、それはそれで大切なことですが、一方でその会話からクライアントのビジネス上の悩み、問題点を正しく把握することができなければ、コンサルタントとしては失格です。
また、クライアントがいつも明確にイシューを認識しているとは限らず、問題点を自覚できていない、あるいは何となくつかめているがうまく言語化できていない、ということも珍しいケースではありません。そのような場合に、クライアントを取り巻く事実やどうなりたいのかというゴールを整理してまとめ、課題解決に向けて建設的な議論にできるかどうかが、コンサルタントの「腕の見せどころ」となります。
論理的思考力
コンサルタントにとってコミュニケーション能力に負けず劣らず大切なのが「論理的思考(ロジカルシンキング)力」です。物事を合理的に理解するこのスキルがあればこそ、これまで経験や勘に頼っていたような意思決定に新たな視座をもたらすことができます。その意味では、コンサルタントが提供するバリューの根源にあるのが、論理的思考力であると言っても過言ではないかもしれません。
事象をロジカルにとらえるにあたってはさまざまな思考法が提唱されていますが、ここではその基本中の基本ともいえる「MECE(ミーシー、またはミッシー)」について触れておきましょう。MECEは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、よく「モレなく、ダブリなく」と訳されています。全体をいくつかの要素に分解した際に、もれてしまっている要素や重複している要素がないことを表します。
たとえばあるグループを10代、20代、30代など年齢別で分ける場合には、すべての人を迷うことなく分類することができます。年齢には重複(10歳でありながら12歳でもある)や漏れ(何歳でもない)がないためです。よって年齢による分類はMECEであるといえます。しかし、グループを職業別に分けた場合はどうでしょうか。いくつかの職を兼業している人や無職の人をどう扱うべきか迷ってしまいますね。これでは不完全な分類となってしまいMECEとはいえません。
論理的思考には、MECE以外にもさまざまな思考技術があります。コンサルタントへの転職を考えている方には、それらが網羅的に紹介されている書籍を一読されることをおすすめします。
専門的な知識・技術
ピュアな戦略コンサルティングの場合は上記の2点が卓越したレベルにあれば問題ありませんが、それ以外の業務改善に携わるコンサルティングでは一定程度の業界知識・技術が求められるのが実情です。ITコンサルタントであれば情報システム領域の知識やスキル、財務コンサルタントであれば会計まわりの知識がなければ付加価値を生み出せないというのは当然の話です。
しかし、ある分野に精通している人がコンサルタントになったとしても、常に自分の得意領域だけで戦えるわけではありません。あまり知見のない分野を扱うプロジェクトにアサインされることも度々あるでしょう。そうした時にはプロジェクトが本格スタートする前に業界紙や関連論文などを集めて片っ端から目を通し、短期間で専門家と渡り合えるだけの知識を習得しなければなりません。その意味では、必要な知識をいかに素早く無駄なく吸収できるかというのも、コンサルタントに必要な能力と言えるでしょう。
すでに持っているスキルと獲得が必要なスキルを見極めよう
今回ご紹介したのは最低限のスキルであり、実際にコンサルタントとして活躍するには「リーダーシップ」「語学力」「体力」「メンタル面の強さ」「プレゼンテーション能力」「ネゴシエーション能力」「洞察力」など、さまざまな能力が求められます。
ただ、これらすべてのスキルを身につけてからコンサルタントを目指そうというのは現実的ではありません。人間、強み弱みはあって当然です。より良い転職のために大切なのは、自分のすでに持っているスキルと獲得が必要なスキルを正確に認識し、現時点での強みと採用企業側のニーズを上手にマッチングすることです。まずはどのコンサルティングファームがどのような人材を求めているのかを把握することから始めましょう。
また、求められるスキルはその人の職位、職歴によっても変化します。若手の場合は「コミュニケーション能力」「論理的思考」という基礎的な部分がしっかりと身についている人が求められますし、中堅であれば「マネジメント能力」、パートナークラスならばファームの運営に関わるため「経営スキル」「セールス能力」などが求められるようになります。当然、面接時にアピールすべきポイントも変わってくるので注意しましょう。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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