「他者への尊重」は、アンテロープの大切なコアバリューの一つです。
これはアンテロープだけに限らず、多くのプロフェッショナルファームに共通する大切な考え方だと思います。組織が大きくなり、メンバーが増え、チーム制が進んでくると、部門間、チーム間、あるいは個人間で、見え方や考え方の違いが生まれてきます。それぞれが担当する領域、向き合っている候補者やクライアント、置かれている状況が異なる以上、意見の相違や摩擦が生じること自体は自然なことです。
大切なのは、その違いをどう受け止めるかです。
成果が思うように出ない時、あるいは自分の努力が十分に報われていないと感じる時、人はどうしても外部の要因に目が向きやすくなります。また、高い成果を出している人ほど、周囲に対してより高い水準を求めたくなることもあると思います。それ自体は、向上心や責任感の表れでもあります。
しかし、その気持ちが他者への非難や不信につながってしまうと、組織の力は確実に弱くなります。コミュニケーションは減り、協力関係は薄れ、本来であれば共有できたはずの知見や機会も失われていきます。プロフェッショナルファームにおいて、それは非常に大きな損失です。
プロフェッショナルファームの仕事は、一人ひとりが与えられた環境の中で自ら考え、工夫し、クライアントに価値を提供していくことです。同時に、個人だけで完結する仕事でもありません。クライアントとの関係、マーケットの知見、業務プロセス上の工夫など、他のメンバーや他チームとの連携によって、より高い成果につながる場面が数多くあります。
だからこそ、私たちに必要なのは、単なる仲の良さではなく、プロフェッショナル同士としての相互尊重です。それは、相手に遠慮して何も言わないということではありません。必要な意見は率直に伝えるべきです。ただし、その前提には、相手もまた真剣に仕事に向き合い、成果を出そうとしている一人のプロフェッショナルである、という敬意がなければなりません。
また、他者を尊重するためには、自分自身も尊重されるに値する仕事をしていく必要があります。高い目標を持ち、日々の行動に責任を持ち、クライアントに誠実に向き合い、成果を出す努力を継続する。その積み重ねが、周囲からの信頼につながります。尊重とは、単に相手に求めるものではなく、自らの姿勢と行動によって築いていくものでもあります。
人生の多くの時間を仕事に費やすのであれば、尊敬できる仲間と、良い仕事をし、高い成果を出していく組織でありたいと思います。互いに甘え合うのではなく、互いに高め合う。違いを非難するのではなく、違いを理解し、必要な場面では協力し合う。組織内の狭い比較にとどまるのではなく、候補者、クライアント、そしてマーケットに対して、より大きな価値を提供することに意識を向ける。
そうした文化こそが、プロフェッショナルファームの長期的な成長を支える土台になるはずです。
「人を尊重し、自らも尊重されるに値する存在であろうとする。」
この姿勢を、これからのアンテロープにおいても大切にしていきたいと思います。

- 【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。
【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。













