MBAを取得することで可能になるキャリアパスと、転職市場での価値
日本企業のグローバル化、海外進出の流れがますます強まっている昨今。国内の金融業界においても、MBA(経営学修士)ホルダーの活躍できる領域は従来よりもずいぶん広くなってきています。これから金融業界でさらなる活躍を希望する人にとって、MBAを取得する価値はどの程度あるのでしょうか。また、MBAを取得することでどのようなキャリアパスが開けていくのかも考えてみましょう。
MBAホルダーが求められるポジションとは?
日本でMBAホルダーが求められているポジションは、経営戦略コンサルティングファームで働くコンサルタントや事業会社の経営企画など非常に幅広くみられます。その中で金融業界においては、プライベートエクイティファンドの運用会社、投資銀行、ファンド投資先企業でのマネジメントポジションなどでニーズが高くなっています。
また、ベンチャーキャピタルなどの投資会社へは外資系投資銀行や戦略コンサルタントを経て、一段階上のステップとしてチャレンジする人も多いと思われますが、このレベルでは特に海外のランキング上位のMBAで学んだ経験が大きく評価されることになるでしょう。
MBAは経営における論理的思考能力の証明
MBAは、ほかの実務能力的なスキルを養うための資格とは大きく性格を異にします。
MBAによって取得できるのは経営学修士という学位であり、新卒であれば「学歴」として認識され、また社会人として何年かの実務経験がある人にとっては付加価値的能力の高い人材であるという評価がされるでしょう。
MBAを取得するためのビジネススクールでは経営に関する幅広いテーマを学びますが、ビジネススクールはプロフェッショナルスクールですから、「実務家」を養成することを目的としています。その中核を成すのは組織行動学、経営資源の数量的分析、戦略といったカリキュラムです。
従ってMBAを取得するということは、社会人経験のある人の場合は実務レベルのスキルに加えて、経営における論理的思考能力を有する人材であることを示します。このため社会人経験のあるMBA取得者は転職においてエキスパートとしてのスキルを要求され、単に資格だけでなく、資格に見合った実務能力を転職した先で当初から発揮することを期待される可能性が高いでしょう。
若いうちに国内で数年間金融業界のキャリアを積み、海外MBA留学を経て帰国すれば、20代後半から30代前半にかけての年齢で投資銀行やプライベートエクイティでのプロフェッショナル求人に十分応えられる可能性も考えられます。
MBAホルダーに期待される英語力
日本国内においてもMBAを取得できるビジネススクールは増えています。しかし多くの企業がMBAホルダーに求めているのは単なるMBAという学位だけではありません。世界の第一線のビジネス現場で通用するビジネス英語力、さまざまな国の出身者で構成される現場でのコミュニケーション能力なども期待しています。そういう意味ではやはり、海外有名ビジネススクールなどに留学し、異文化環境でコミュニケーション能力を鍛えることが出来ればベターと言えます。
もちろん、現実問題としてMBAの取得をするのに国内ビジネススクールで学ぶしか選択肢がないという方も多いでしょう。しかしそういう場合、ビジネススクール以外の場で出来るだけ実践的なビジネス英語力を磨く機会を模索しておくべきです。同じMBAの取得者でも国内ビジネススクール出身者は海外留学経験者に比べ、英語力の評価の面で不利になる可能性が高いからです。
実践的なビジネス英語は転職時に大きな武器となります。たとえドメスティックな金融機関など、現在の業務に直接高い英語力を必要としない職場への転職であったとしても、今日の金融機関でグローバルを意識していない会社は皆無であり、採用時の評価として海外MBA出身かそれと同等の英語力を有する人材であるということは強いアピールポイントになるからです。
キャリアゴールを明確にイメージすべき
MBAは取得する年齢とそれまでのキャリアによって、イメージできるキャリアゴールに大きな違いがあります。
例えば、20代のうちにMBAを取得する場合、「国際感覚」を養い、外資系金融機関に転職してポジションや収入の大幅アップを狙ったり、あるいはグローバル人材として活躍の場を海外に求めたりという選択肢があるでしょう。しかし、MBA取得時の年齢が30代の半ばくらいになってくると、MBAを取得したとしても、それほど大きなキャリアチェンジを望むことは難しくなってきます。むしろ、これまでのキャリアにMBAで学んだこと補完する形で、自分にとって満足度の高い業務ができる会社を目指すことに転職の力点を置くべきでしょう。
MBAを取得するにはプライベートを削って準備のための勉強期間を設け、非常に高額な授業料を支払う必要があることを忘れるべきではありません。MBAの取得に踏み切るかどうかは、「自分のキャリアゴール」を明確にすること、そして期待できる成果とMBA取得までの期間や費用などの投資コストをトータルで比較する必要があるのです。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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