セールス&トレーディング部門の基本情報
セールス&トレーディング部門は、投資銀行内における大きな収益源の一つとなる部門です。ここでは主として流通市場における有価証券の売買を取り扱います。流通市場とは英語ではセカンダリーマーケットと呼ばれ、既に発行されている株式や債券などを取引する市場です。
これに対し、企業や国、地方公共団体、金融機関などが資金調達を行うために有価証券を発行するマーケットをプライマリーマーケットと呼びます。通常、新たに発行する株式や社債などを証券会社が引き受け、それを証券会社が投資家に販売するまでの流れがプライマリーマーケットの領域です。この二つのマーケットが上手く機能することで市場は成立します。
セールス&トレーディング部門では、伝統的な株式や債券の他にも、デリバティブを駆使した仕組債や、オプション、外国為替、コモディティなど多岐に渡った商品を取り扱います。
<株式マーケット>
株式マーケット部門では国内外普通株式、優先株式、新株予約権付社債(転換社債)等の株式関連商品を取り扱います。セールスは機関投資家に対し、株式調査部のリサーチに基づいた株関連商品による運用提案を行います。セールス・トレーダーは、セールスが機関投資家に提案した情報に基づき、ファンド・マネージャーや金融機関、ヘッジファンド等の機関投資家から売買注文を受け、タイムリーにより良い条件でトレーダーからプライスを提示してもらい、顧客に説明し、取引を執行する仕事です。株式トレーダーは、セールスからの株の売買注文に対して価格を提示します。通常自己勘定での売買も行われ、投資対象企業の業績や、経済のファンダメンタルズ、テクニカル分析等を基に独自のトレーディング手法でポジションを持ち、収益の向上に貢献します。また顧客への価格提示はせず、自己勘定のみのプロップトレーダーや、株式裁定取引のみを行なうトレーダーも含まれます。セールス、セールス・トレーダー、トレーダーは株式調査部と共に、互いにコミュニケーションを取りながら総合的に機関投資家へのサービスを行っています。
<債券マーケット>
債券マーケット部門では、JGBやUS Treasuryをはじめとする国債や、政府発行債、一般債、外国債券、仕組み債等の商品を取り扱います。セールスは機関投資家や事業法人、政府機関等に対して、売買提案を行います。提案を受ける側の機関投資家は、投資顧問や生命保険、損害保険、ヘッジファンド、銀行等になります。セールスは担当顧客へ日々コンタクトし、顧客の投資戦略に沿った提案や、マーケット情報の提案などを行います。トレーダーは、JGBを中心とした金利商品の売買業務を主として行います。特に「国債市場特別参加者制度」(プライマリー・ディーラーシップ)で指定された金融機関や証券会社は、国債入札において「発行予定額の3%以上に相当する額で相応額を応札する」、「流通市場への流動性を供給する」、「財務省に対して毎週、国債、債券先物、円金利スワップ等の取引動向について情報を提供する」等の義務があることから、活発にトレーディングに参加し、マーケット・メーキングを行います。その他外国為替や外国債券、クレジット商品(社債やローン、関連クレジット・デリバティブ等)、金利デリバティブ(金利オプション、金利スワップ等)、コモディティー(金属やエネルギー関連商品)のトレーディングも行なわれます。
外資系においては、各プロダクト別の縦割りのレポーティングラインと、セールス、トレーディング別の横割りのレポーティングラインがあるのが一般的です。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |