ビジョンとモチベーション

2012-02-29 執筆者:山本 恵亮

ご転職をご検討されている方々にとって、自分の将来像、転職理由、希望する業種への志望理由等、これらビジョンに関する質問は、我々キャリアコンサルタントが皆様のことを理解する為にお聞きするだけでなく、面接でも繰り返し聞かれることだと思います。転職の時ほど、ご自身のビジョンについて考えることは人生でもあまりないと思いますが、なぜビジョンが、これ程までに面接でも重視されているのでしょうか。

1つだけ理由をあげるとすれば、私はビジョンを持つということが、高いモチベーションを維持する為に大きな役割を果たすからであると思っています。

私が多くの人々のお話をお聞きしていて、モチベーションが湧かない理由で圧倒的に多いのは「現在やっている仕事が自分の将来につながっていない」という言葉です。そしてそれが「その仕事を続けることは意味がない」という気持ちにつながり、現職を続けるモチベーションを失っておられることが多くあります。他方、仕事が充実している人々を観察していると「現在の仕事が自分の将来につながっており、故にその仕事をやり続ける意味がある」という気持ちが、その方のモチベーションを更に高めている、ということに気づかされることが頻繁にあります。

この様に、我々は、現在が未来につながっているという整合性のとれたストーリーを歩んでいる時に、モチベーションが高まるのだと思います。すなわち、ご自身のビジョンへのストーリーを持っておれば、今仕事で頑張っていることが自分の将来的なビジョンに繋がっていると、意味を感じることが出来るということです。そして、想定外の障害が発生しても、高いモチベーションで乗り越えていくことが出来るのだと思います。また、例えそれがつらい出来事であっても、ビジョンに向かう為の経験であると意味づけされるのではないでしょうか。

人材を募集している企業の人々の立場に立つと、ご応募者がしっかりとしたビジョンをお持ちであることが理解出来、自社での業務を通じてビジョンに向かうストーリーを描けるとイメージ出来れば、入社後も高いモチベーションを維持して仕事に取組んでいただけるという実感を持てると思います。そして、一緒に働きたいという思いも生まれることでしょう。

ビジョンを描くことは意外と難しいと思いますが、大切なことですので、是非しっかりとお考えになっていただきたいと思います。また、私たちは、皆様がこの様な整合性のとれたストーリーを歩む場を得るための、お手伝いをしたいと思っております。

取締役山本 恵亮 / Keisuke Yamamoto
【経歴】
同志社大学商学部卒。大手人材サービス会社にて金融とIT業界を担当後、渡米。在米のコンサルティング会社で、人材採用支援、人事コンサルティング、そして新規事業の立ち上げを事業開発マネージャーとして推進し、北米での事業拡大に貢献。2004年4月アンテロープ参画、翌年同社取締役。PEファンド(バイアウト)を中心に、VC、M&A、コンサル、投資先企業の経営人材、また組織立ち上げ期におけるコアメンバー採用の支援も強み。1級キャリアコンサルティング技能士。

【担当領域/実績】
専門はPEファンド(バイアウト)、VC、エンゲージメントなど投資ファンド、投資先の経営人材など。20年のエージェント経験で培われた層の厚いネットワークを有し、業界トップから新鋭企業まで数百名に及ぶ転職を支援してきた。水面下で流通する求人案件の提案から、選考対策、希望職種の明確化も含め丁寧な支援を行っている。