マッキンゼー・アンド・カンパニーは、世界が認めるグローバル戦略ファームのトップブランド。世界65カ国130都市に拠点を持ち、あらゆる業種のクライアントの目標達成・経営課題の解決を支援しています。
その日本支社は2020年現在で49年の歴史があり、自動車、ハイテク、金融、医薬品などの産業を中心に、上場企業をはじめ、非公開企業や政府機関へもコンサルティングサービスを提供しています。
ここでは、コンサルタントとしてマッキンゼー・アンド・カンパニーへの転職を考える際に役立つスキルセットや年収例のほか、選考フロー、面接対策、転職に成功した人の人物像などについて解説します。
コンサルティング業界専門の転職エージェントだからこそお伝えできる情報を参考に、ぜひ挑戦への一歩を踏み出してください。
<目次>
主な仕事内容:マッキンゼー・アンド・カンパニー
就労環境:マッキンゼー・アンド・カンパニー
年収例:マッキンゼー・アンド・カンパニー
選考フロー・面接のポイント:マッキンゼー・アンド・カンパニー
求められるスキルセット:マッキンゼー・アンド・カンパニー
入社後に実現可能なキャリアパス:マッキンゼー・アンド・カンパニー
転職に成功した人の人物像:マッキンゼー・アンド・カンパニー
転職でエージェントに相談するメリット:マッキンゼー・アンド・カンパニー
転職希望者にキャリアコンサルタントからアドバイス:マッキンゼー・アンド・カンパニー
企業プロフィール:マッキンゼー・アンド・カンパニー
主な仕事内容:マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントには、大きく分けてジェネラリストとスペシャリストがいます。ジェネラルコンサルタントには所属部門や部署はなく、辞令、配属、転勤命令もありません。「プロフェッショナルとして働く者のキャリアは、誰かに指示されて形成されるものではなく、自ら設計し組み立てていくものである」との考えからです。
このジェネラリストと、特定分野に注力するスペシャリストが融合したチームで、マッキンゼー・アンド・カンパニーならではの付加価値を提供することを目指しています。こうしたマッキンゼー・アンド・カンパニーならではの考え方を前提として、コンサルティングサービスは機能別・産業別グループに編成されています。
機能別グループのコンサルティング領域
機能別グループのコンサルティング領域と仕事内容は下記のとおりです。このうち、マッキンゼー・デジタル、RTS、Leapは、包括的な課題へのアプローチをする特別グループです。
●戦略(社内呼称:インテグレート)
戦略は、あらゆる主要産業を守備範囲とし、クライアント企業の事業部門の課題から全社的成長やイノベーションまで、戦略的課題への解決に向けた支援を行うグループ。マッキンゼー・アンド・カンパニーを代表するグループで、日本において急速に成長している分野です。
●マッキンゼー・アクセラレート
マッキンゼー・アクセラレートは、クライアント企業に対して戦略提言を行うにとどまらず、戦略実行のために必要な組織変革や実行能力の構築ができるよう、経営陣や現場と伴走して支援する特設チームです。クライアントのトレーニングやコーチングによるアプローチを用いて、クライアント自身の能力向上、企業価値の向上を支援します。
●マッキンゼー・デジタル
マッキンゼー・デジタルは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進とデジタル新規事業の構築を通じて、クライアントのデジタル分野での成長を支援するグループ。データやAIの活用、コアテクノロジーの近代化、新技術の導入、オペレーションの最適化・自動化などを通して、デジタル人材の育成や企業文化の変革にも関わります。
デジタルに特化した案件は、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社が手掛けるプロジェクトの半分以上を占めています。
●RTS
RTSは、急速かつ大規模な企業変革を成し遂げるための包括的アプローチを支援する特別グループ。「Reset. Transform. Sustain.」の頭文字から取られています。
RTSは、活動内容別に2つのチームがあります。企業変革チームは、迅速かつ大規模に企業価値を向上させる計画を達成し、組織が高収益体制に変わるよう、支援をするチームです。一方の企業再生チームは、財政難や経営課題に直面しているクライアント企業と協働し、企業再生を実現するのがミッションです。
●Leap
Leapは、時代の変化に対応した革新的な新規事業を、短期間で構築・展開することに特化したグループ。元々、クライアントが持っている強みを核としつつ、新しいエコシステム、組織能力、インフラを作り上げる支援を行います。
「新規事業創出ユニット Leap by McKinsey」というコンセプトを標榜しています。
●コーポレートファイナンス
コーポレートファイナンスは、企業の資金調達や新たな価値の創造を支援するグループ。コーポレートファイナンス領域の知見や独自の知識・ツールを活用して、M&Aや合弁事業、戦略的提携をサポートします。また、事業ポートフォリオの再評価・再編成などを通じて、クライアントの財務部門強化を図ります。
●オペレーション
オペレーションは、クライアントが目標達成に必要なオペレーション能力を獲得・維持するための支援を行うグループ。費用構造改善による生産性向上のサポートから、短期的キャッシュフローの改善、製品開発プロセスの再設計までを総合的にサポートします。
●マーケティング・アンド・セールス
マーケティング・アンド・セールスは、その名のとおりマーケティングとセールスの支援を行うグループです。消費者・購買者に対する深い知見と、蓄積されたデータや独自の方法論などを用いて、商品開発から市場参入戦略の立案・実行、顧客へのプロモーションまで、幅広い領域でクライアントの成長加速をサポートします。
●組織
組織は、日本企業や日本市場へ展開する外資系企業の、組織関連の課題解決を支援するグループです。組織変革や人材マネジメント、人材育成、組織設計、組織の健全性の獲得・維持、合併後のマネジメントといった課題に対し、コンサルティングサービスを提供します。
産業別グループのコンサルティング領域
一方、産業別グループのコンサルティング領域と編成は下記のようになっています。
・自動車・産業機械
・金融サービス
・ヘルスケア
・化学
・金属
・プライベートエクイティ
・消費財・小売
・石油・ガス
・通信・メディア・テクノロジー
・エネルギー
「マッキンゼー・アンド・カンパニーの主な仕事内容」参考:活動内容 | 日本 | McKinsey & Company
就労環境:マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーには、プロフェッショナルのキャリアは誰かに指示されて形成されるものではなく、みずから設計して組み立てていくという考え方があります。そのため、自身の能力や専門性を発揮しながら、自分で選んだ道を自分の努力で進んでいく環境で働くことになります。
勤務時間・働き方
コンサルタントは常に一定の時間内に成果を上げることを求められます。課せられる責任も重く、毎日、定時に終わる仕事ではありません。ただし、マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、コンサルタントとしての仕事は長時間働くことではないとの考え方もはっきりしており、質の高い成果を出すために、生産性を高めるスキルアップ支援策や休暇制度といった福利厚生も整備されています。
人事制度・スキルアップ研修制度
マッキンゼー・アンド・カンパニーは徹底した成果主義で、年齢や在籍年数に関係なく「何を成し遂げたか」によって評価されます。1つ上の役目を果たす能力が備わったと判断されれば、在籍年数とは関係なく昇格が決まります。
ただし、昇格すればするほど求められる能力も高くなり、より厳しい評価をされます。成果を出せない状態が続けば「Up or Out」(アップ・オア・アウト)といわれるように、マッキンゼー・アンド・カンパニー以外の道を探すしかありません。
スキルアップ研修制度は、社員の成長を重視する社風のため充実しています。入社後は、1年半に1度程の頻度で参加できるグローバルトレーニング、入社前の英語レッスン、定期的な英語研修、ビジネスアナリストの海外MBA留学サポートなどが用意されています。
福利厚生
福利厚生面では、有給休暇はもちろん、出産休暇、性別に関係なく取得が可能な育児休暇のほか、介護休暇制度も整備されています。また、プロジェクトチームを組む際には、メンバー同士の働き方やライフスタイルの希望を共有して、互いにサポートし合う企業文化があります。一人ひとりの事情に合わせて、業務量や昇進タイミングの調整、数週間単位での休暇取得も可能な環境です。
年収例:マッキンゼー・アンド・カンパニー
コンサルタントの年収は600万~1500万円程度と幅があり、評価によって変動します。マネージャーになると2000万円弱、アソシエイト・プリンシパル以降は2000万円以上になります。
選考フロー・面接のポイント:マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーの中途採用(キャリア採用)の選考は、書類審査とオンラインで受ける独自の適性検査があり、その後4回前後の面接が行われます。面接はすべて1対1で実施し、与えられたビジネステーマに対して意見を述べ、面接官とディスカッションをするケース面接方式です。ケース面接の前後に、志望動機や転職理由など、一般的な質問を受ける場合もあります。
ケース面接では、論理的思考力や論点を押さえた仮説思考ができるか、またはその素質があるかを中心に見られます。また、社会人やプロのコンサルタントとして、ふさわしいコミュニケーション能力や人間性が備わっているのかも評価されます。
求められるスキルセット:マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーで働く上で求められるスキルセットとしてもっとも重要なのは、論理的思考と戦略的思考ができるか、あるいはその素質があるかという点です。ビジネス全体を俯瞰した上でみずからの業務を考えてきた経験、例えば経営企画や事業企画など、経営直下で事業方針を決定・推進していく部署や、さまざまな部署から集まったメンバーを率いてプロジェクトを進めた経験はプラス評価につながります。
ただし、コンサルティング実務未経験者のジュニアアソシエイト採用であれば、あまり特定の経験に絞って見られることはありません。トップクラスの学歴があり、リーディングカンパニーでの勤務経験など優秀と認められる人であれば、あとは面接の内容で評価されます。
入社後に実現可能なキャリアパス:マッキンゼー・アンド・カンパニー
職位は、新卒・実務経験2年未満の第二新卒の採用ポジションであるビジネスアナリストから、ジュニアアソシエイト、アソシエイト、エンゲージメント・マネージャー、アソシエイト・プリンシパル、パートナーに相当するプリンシパル/ディレクターまで6段階あり、それまでの経験によってスタート地点が変わります。1つ上の役目を果たす能力が備わったと判断されると、年次に関係なく昇格する仕組みです。
2年以上の実務経験がある人やMBA卒業生などは、アソシエイトからのスタートとなります。
転職に成功した人の人物像:マッキンゼー・アンド・カンパニー
ほかの大手コンサルティングファームと同様に、論理的思考や論点を押さえた仮説思考ができること、またはその素質があることは大前提となります。
その上で、世界のトップファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーの特徴を挙げるとすれば、急成長している「マッキンゼーインプリメンテーション」を見るといいでしょう。旧来のコンサルティングでは戦略提言をして、後はクライアント企業に任せていたものを、このグループは、クライアント企業の経営陣や現場と伴走して、戦略の実行支援もします。そのため、実践的な問題解決能力を活かしながら、コーチング手法なども取り入れて、クライアントの能力やクライアント企業の価値を高める支援ができる人材が求められています。
転職でエージェントに相談するメリット:マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、世界トップクラスの戦略系コンサルティングファームであり、世界中から優秀な人材が集結している場です。戦略コンサルタントとしてキャリアを積むには申し分ない転職先ですが、ハードルが高すぎると感じ、挑戦する前からあきらめてしまう人も少なくありません。
その点、アンテロープキャリアコンサルティングでは、マッキンゼー・アンド・カンパニーの企業文化や仕事の魅力をはじめ、募集中のポジションに必要なスキルセット、選考面接での評価ポイントなどについて、事前により深い情報を入手することが可能です。まずは無料登録からスタートして、キャリアプランの相談から取り組んでみるといいでしょう。
転職希望者にキャリアコンサルタントからアドバイス:マッキンゼー・アンド・カンパニー
おそらく、多くの人が挑戦する前から「英語力が足りないから、マッキンゼーは無理」と思っているのではないでしょうか。確かに、マッキンゼー・アンド・カンパニーでは英語が公用語ですし、社内ミーティングや海外メンバーとのやりとりも頻繁にあるため、英語ができなければ仕事になりません。
しかし、帰国子女でなければ採用されないというわけではなく、日本育ちで海外経験が一切ない人も採用されています。自分で努力をして英語力を高めるなど、一定の英語力とコミュニケーション能力があればチャレンジは可能です。
また、芯の強いタイプの人が向いていますので、自信がある人はぜひご相談ください。
監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
企業プロフィール:マッキンゼー・アンド・カンパニー
社名 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社 |
所在地 |
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー |
従業員数 |
約600人(2020年3月現在) |
設立 |
1971年 |
特徴 |
McKinsey & Companyは、1926年にシカゴ大学教授ジェームズ・マッキンゼー氏が創設。1933年に参画したマービン・バウワー氏が、企業の戦略策定をコア事業とする世界トップクラスの経営コンサルティングファームへと成長させた経営コンサルティング会社。世界65カ国130以上の都市に拠点を持つ、グローバル戦略系ファームのトップブランドで、日本支社では日本のトップ企業30社の8割をサポートしている。
社員の成長を重視し、個々人のキャリアを支援する社風で、OBOGは広く財政界で活躍しており、そのネットワークは世界最強ともいわれている。 |
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